2022/10/22
京急グループ本社 |
京急グループ本社は神奈川県横浜市西区のみなとみらい21エリアに建つ地上18階、地下1階、高さ85.55mの超高層ビルです。
創立120周年を迎えるタイミングで、京浜急行電鉄や京浜急行バス、京急不動産、京急ストアなどのグループ企業11社の集約が行われました。
京急グループ本社の1階には、入場無料の「京急ミュージアム」が入っており、湘南電気鉄道デ1形と当初呼ばれていた「京急デハ230形デハ236号」が展示されているほか、沿線を忠実に再現した「京急ラインジオラマ」や運転体験コーナー「鉄道シミュレーション」、工作体験ができる「マイ車両工場」など多様な展示や体験が可能な施設となっています。
また、構造面では、免震構造の採用や大成建設独自の鉄筋コンクリート造の扁平柱を利用した架構と免震構造を組み合わせた構造形式である「TOLABIS(TAISEI OUTER PLATE COLUMN BUILDING SYSTEM with ISOLATION STORY)」の採用がなされています。
建築主は京浜急行電鉄、設計は大成建設、エントランスホール内装監修は隈研吾建築都市設計事務所)、施工は大成・京急建設共同企業体です。
着工は2017年7月1日、竣工は2019年9月2日となっており、2019年9月17日から移転し、10月28日に入居予定の全グループ企業の移転が完了しています。
参考資料、引用元
・京急電鉄 「京急グループ本社」竣工記念式典を実施
・京急電鉄 9月17日(火)から京急グループ11社が順次移転します!
・京急電鉄 「CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証」「京急グループ本社」が最高ランクの「Sランク」を取得
・大成建設 京急グループ本社
・日刊建設工業新聞 京急グループ本社 完成
・京急ミュージアム 公式サイト
・京急電鉄 「京急ミュージアム」 2020年1月21日(火)オープン決定!
過去の記事
→2018年10月10日投稿 (仮称)京急グループ本社ビル
→2019年3月6日投稿 (仮称)京急グループ本社ビル
→2019年6月1日投稿 (仮称)京急グループ本社ビル

概要
名称 | 京急グループ本社 |
計画名 | (仮称)京急グループ本社ビル |
name | Keikyu Group Headquarters |
中文名 | 京急集团总部 |
所在地 | 神奈川県横浜市西区高島一丁目2番51ほか11筆 |
用途 | 事務所、展示場、保育所、駐車場 |
階数 | 地上18階、地下1階 |
高さ | 85.55m |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 |
基礎工法 | 杭基礎 |
敷地面積 | 2,603.91㎡ |
建築面積 | 1,914.36㎡ |
延床面積 | 25,831.99㎡ |
着工 | 2017年7月1日 |
竣工 | 2019年9月2日 |
建築主 | 京浜急行電鉄 |
設計 | 大成建設(エントランスホール内装監修:隈研吾建築都市設計事務所) |
施工 | 大成・京急建設共同企業体 |
最寄駅 | 新高島 |
建築計画の概要板

位置図
イメージパース

出典:京急電鉄
南東側から見た京急グループ本社の様子です。
デザインコンセプトとして「海に開き、空高く羽ばたく京急を体現するデザイン」が掲げられており、中高層部分の外観デザインは、白い縦ストライプの壁柱と竪フィン、窓は2連1セットのカーテンウォールが採用されたものとなっています。
低層部は、大きなガラス面により、海のような透明感と広がりを創出し、外構や内装には木・土・石の自然素材によるさざ波を想起させるデザインとなっています。

東側から見た京急グループ本社の様子です。
大成建設独自の鉄筋コンクリート造の扁平柱を利用した架構と免震構造を組み合わせた構造形式である「TOLABIS(TAISEI OUTER PLATE COLUMN BUILDING SYSTEM with ISOLATION STORY)」が採用されています。
「TOLABIS」は、建物外周に配置した壁柱の境界梁を鉄筋コンクリート梁とし、高い剛性を有する上部構造と免震構造を組み合わせた架構システムです。
大地震の入力エネルギーを免震構造で集中的に吸収させ、建物本体の損傷を最小化する免震構造システムとなっており、建物内部に柱型のない広々とした自由度の高い空間を創出や縦連層の美しい外装デザインを実現することができるメリットがあります。
大成建設 TASMO(制振)/ TOLABIS(免震)

「TOLABIS(TAISEI OUTER PLATE COLUMN BUILDING SYSTEM with ISOLATION STORY)」の構造イメージです。

出典:大成建設
北東側、とちのき通り西交差点から見上げた京急グループ本社の様子です。

北東側から見た京急グループ本社の様子です。

建物頂部には、京急ロゴが取り付けられています。

北側から見た京急グループ本社の様子です。
設備面のBCP対策としては、地域冷暖房からの冷水、蒸気による熱源方式を主体としながらも、中圧ガスコージェネレーションシステムを構築し、非常用発電機(72時間)と合わせた電源自立化というシステムを採用しています。

京急グループ本社は、3階部分で横浜駅方面から直結している「みなとみらい歩道橋」に接続しています。

北西側から見た京急グループ本社の様子です。

南西側から見た京急グループ本社の様子です。

南側から見上げた京急グループ本社の様子です。

京急グループ本社南側には広場が整備されており、「ケイキューブ」と呼ばれる京急の電車をモチーフにしたキューブ型のイスが複数配置されています。

みなとみらい21の西側エリアでは、近年、超高層オフィスビルが次々と建設され、京急グループ本社もみなとみらい大通りに面した場所に建設されました。

京急ミュージアム
京急グループ本社の1階には「京急ミュージアム」が入っています。
「京急ミュージアム」は、「本物」を見て、触れて、楽しむをコンセプトに、歴史的名車「京急デハ230形」を展示するなど各種展示や体験が可能となっている施設です。
京急グループの歴史を紹介するコーナーである「京急ヒストリー」、沿線風景を再現した、長さ約12メートルサイズの巨大ジオラマ「京急ラインジオラマ」、本物の新1000形電車運転台による実写映像の運転シミュレーターやバス運転台を再現したコーナー、オリジナルデザイン車両の工作体験ができるコーナーなどがあります。
日本鉄道賞「手づくりミュージアムが地域と鉄道会社を元気にする」特別賞も受賞しており、今後も、「本物」体験を通じて、鉄道の魅力や必要性を伝えるとともに、横浜・みなとみらい地区に賑わいを創出するものとされています。

出典:京浜急行電鉄 ニュースリリース
京急ミュージアムの出入口です。

屋内展示されている「デハ230形」です。

横浜ランドマークタワー展望台から見た京急グループ本社の様子です。
以前はみなとみらいの海側にタワーマンションが次々と建設されましたが、ここ数年は陸側に超高層オフィスビルが怒涛の勢いで建設されました。

2022年10月22日更新
2022年2月6日/2021年3月3日等撮影