2022/06/30
九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE) |
九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)は東京都千代田区九段南で建設中の地上17階、地下3階、高さ85.0mの超高層ビルです。
1934年竣工の登録有形文化財であり、歴史的建築物でもある帝冠様式の「九段会館」を70年間の定期借地により、帝冠様式を最も表している建物北側と東側部分をL字状に保存、活用する再開発となっています。
また、免震レトロフィット工法も採用し、創建時の姿を保存、復元し、内装にも当時の意匠を引き込むほか、中性化により劣化したコンクリートの補修対策も実施されています。
施設構成は、九段会館保存部分の地下1階~地上1階にビジネスエアポート九段下、地上1階、5階に飲食店舗、コンビニエンスストア等、2階~4階に九段会館テラスコンファレンス&バンケット、2階~4階に九段会館テラス Classic Office、新築部分地下2階に駐車場、地下1階に九段食堂 KUDAN-SHOKUDO for the Public Good、クリニックモール、1階にオフィスロビー、2~17階にオフィスエリアとなります。
オフィススペックは、基準階面積が756.49坪、天井高が2800mm、床荷重は500kg/㎡、一部1000kg/㎡となり、保存部分2階~4階には、約20~80坪の小規模オフィスも入ります。
建築主は東急不動産、鹿島建設が出資する合同会社ノーヴェグランデ、設計は鹿島・梓 設計・工事監理業務共同企業体、施工は鹿島建設です。
既存建築物解体着手は2018年5月7日、着工は2019年7月16日、竣工は2022年7月15日となっており、2022年6月時点では外構工事等ほぼ完了した状態となっていました。
参考資料、引用元
・九段会館テラス 公式サイト
・東急不動産 歴史的建造物の「九段会館」 建替え事業を推進 ~「帝冠様式」の建物を保存活用~
・東急不動産/鹿島建設 新しい働きかたを実現する次世代型オフィスが誕生~アフターコロナにおける「健康」と「安心・安全」をサポート~
・東急不動産/鹿島建設 登録有形文化財「旧九段会館」保存・建替えプロジェクト名称決定「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」
過去の記事
→2018年12月20日投稿 (仮称)九段南一丁目プロジェクト
→2019年4月28日投稿 (仮称)九段南一丁目プロジェクト
→2021年5月13日投稿 (仮称)九段南一丁目プロジェクト

概要
名称 | 九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE) |
計画名 | (仮称)九段南一丁目プロジェクト |
name | KUDAN-KAIKAN TERRACE |
中文名 | 九段会馆露台 |
所在地 | 地名地番:東京都千代田区九段南1丁目5番1 住居表示:東京都千代田区九段南1丁目6番5 |
用途 | 事務所、店舗、集会場、駐車場 |
階数 | 地上17階、地下3階 |
高さ | 85.0m (軒高:75.0m) ※ニュースリリース:74.9m |
構造 | 鉄骨造、CFT造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 | 直接基礎 |
敷地面積 | 8,765.85㎡ |
建築面積 | 5,106.90㎡ (5,181.31㎡) |
延床面積 | 68,036.35㎡ (68,128.66㎡) |
着工 | 2019年7月16日(解体着手:2018年5月7日) |
竣工 | 2022年7月15日 |
建築主 | 合同会社ノーヴェグランデ (出資元:東急不動産、鹿島建設) |
設計 | 鹿島・梓 設計・工事監理業務共同企業体 |
施工 | 鹿島建設 |
最寄駅 | 九段下 |
(2022年6月19日撮影)
建築計画の概要板

位置図
断面図

出典:東急不動産/鹿島建設
フロア構成
・地下1階~地上1階:ビジネスエアポート九段下
・地下1階:九段食堂 KUDAN-SHOKUDO for the Public Good、クリニックモール
・地上1階、5階:飲食店舗、コンビニエンスストア等
・2階~4階:九段会館テラスコンファレンス&バンケット
・2階~4階:九段会館テラス Classic Office
イメージパース

出典:東急不動産/鹿島建設
北東側から見た建設中の九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の様子です。

敷地北側に広がる公開空地の広場「九段ひろば」の様子です。

撮影時は中に入れませんでしたが、石碑やモニュメントが多数設置されていることが確認できました。

九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACEの施設名標サインです。

現地に掲載されているフロア構成が記載されたサインです。

南東側から見た建設中の九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の様子です。

九段会館は戦前の1930年代に流行したコンクリート造の建物に瓦葺きの勾配屋根を塔屋とパラペットに冠する「帝冠様式」という建築様式が採用された歴史的建築物となっています。
そのため、今回の再開発ではファサード部分が保存されることとなり、免震レトロフィット工法の採用や中性化により劣化したコンクリートの補修対策の実施、外壁のスクラッチタイルの落下防止対策の実施等により、創建時の姿を復元、保存が可能となりました。

九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)のエントランス部分の様子です。

九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の保存部分屋上には、屋上庭園も設けられています。

「屋上庭園」の完成予想パースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
「屋上庭園」の完成予想パースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
保存部分のファサードの様子です。
九段会館は、城郭風の重厚な塔屋を戴く帝冠様式の外観意匠が特徴的で、要所に用いられた軽妙洒脱なアール・デコの装飾等、九段下の街路景観の象徴的存在であることが認められ、2019年9月に登録有形文化財に登録されています。

保存部分のファサードの様子です。

「メインエントランス」のイメージパースです。
エントランス部分は九段会館のファサードが活用され、重厚感溢れるエントランスとなります。

出典:東急不動産/鹿島建設
窓部分は反射率の高いガラスが採用されており、壁面は大理石調のPCカーテンウォールとなっています。

北西側から見た建設中の九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の様子です。

九段会館保存部分北側の様子です。

牛ヶ淵越しに丸の内方面の超高層ビル群も望めました。

九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の完成予想パースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)の鳥瞰パースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
「お濠沿いテラス」のイメージパースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
「屋上庭園」のイメージパースです。

出典:東急不動産/鹿島建設
2022年6月30日更新