2022/11/22
(仮称)東京三田再開発プロジェクト |
(仮称)東京三田再開発プロジェクトは、東京都港区三田で建設中の地上42階、地下4階、高さ215mの超高層ビルを含む4棟のビル群が建設される大規模再開発事業です。
再開発区域は、JR田町駅および都営地下鉄三田駅の南側、第一京浜の札の辻(ふだのつじ)交差点西側、旧南海小学校や旧芝浜中学校などの跡地に位置しています。
交通利便性が高い一方、幹線道路や地形の高低差等による東西市街地の分断や歩行者ネットワークの不足が課題としてあげられるほか、建物の老朽化が進むとともに低未利用地も多く、都心にふさわしい土地利用が妨げられているという課題がありました。
三田エリアと芝浦エリアを連絡する歩行者デッキの整備および東西の高低差のある道路間をバリアフリーで連絡する歩行者通路の整備により、歩行者ネットワークの強化を図るほか、多様なニーズに応える国際水準の業務機能や、商業・生活支援・文化交流機能等の導入により、国際ビジネス交流機能・生活環境の整備を図ることを目的として再開発事業が進められています。また、隣接する斜面緑地と一体となった緑地空間や様々な人々が集える賑わい、交流空間としての広場の整備により、大規模な緑地・広場空間の創出を図るものとされています。
施設構成は、事務所、貸会議室等、店舗、駐車場からなる地上42階、地下4階、高さ215mの複合棟-1「オフィスタワー棟」、幼稚園、専修学校、自動車車庫からなる地上7階、地下1階、高さ28.5mの複合棟-2「聖徳大学幼児教育専門学校/聖徳大学三田幼稚園」、住宅、駐車場からなる地上9階、地下1階、高さ31.5mの住宅棟-1、店舗、住宅からなる地上4階、地下2階、高さ11.065mの住宅棟-2となります。
オフィスタワー棟のオフィススペックは、基準階貸室面積が495.39坪 (1,637.61㎡)、1,204.03坪 (3,980.16㎡)、天井高3.0m (※15F・27Fのみ3.5m)、OAフロア10cm、床荷重500kg/㎡、一部 1,000kg/㎡、コンセント容量60VA/㎡、空調方式が完全個別空調 (59-75ゾーン/フロア)となっています。
また、BCP対策としては、免震+制振のハイブリット構造を採用、27階スカイロビーの階下部に中間免震層を設けているほか、全フロアに制振壁、屋上に風揺れ制御用制振装置を設置する事で、地震時など揺れを低減する構造を採用しています。更に受電方式については、事故等で本線からの送電が停止しても予備線から受電可能な 2 回線受電を採用し、万が一の停電時には、中圧ガスを用いた非常用発電機を利用し、最低10日間以上のガス発電、72時間分の重油発電によって共用部に加えて貸室内にも電力を供給可能としています。
建築主は三田三・四丁目地区市街地再開発組合、参加組合員は住友不動産、事業協力者は住友不動産、大林組、設計はオフィスタワー棟が久米設計、複合棟-2が石本建築事務所、住宅棟-1が久米設計、住宅棟-2が久米設計、すわ製作所関西、コンサルタントは日建設計、上野計画事務所、施工はオフィスタワー棟が大林組、複合棟-2が竹中工務店、住宅棟-1が長谷工・大林建設共同企業体、住宅棟-2が辰です。
既存建築物の解体着手は2019年3月22日、着工はオフィスタワー棟が2019年10月中旬、複合棟-2が2021年1月20日、住宅棟-1が2020年6月中旬、住宅棟-2が2021年4月1日、竣工はオフィスタワー棟が2023年初旬、現地概要板上では2026年4月30日、複合棟-2が2023年7月30日、住宅棟-1が2024年8月中旬、住宅棟-2が2025年3月31日となっています。
2022年11月時点では、オフィスタワー棟が上棟、外観もほぼ完成して低層部分の整備が進められており、複合棟-2についても上棟済み、住宅棟-1は8~9階付近の躯体施工が進められていました。
参考資料、引用元
・東京三田再開発プロジェクト 公式サイト
・住友不動産 「三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業」 当社最大 延床面積約20万㎡ 大規模オフィスタワー 高い環境性能が評価され「ZEB Ready」認証取得 2023年2月竣工予定
・東京都 三田三・四丁目地区市街地再開発組合の設立を認可
・多機能を備えた国際水準のビジネスを中心とする新拠点形成 ~業務×住宅×商業×学校×文化・交流など複合用途集積の街へ~ 「三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業」再開発組合設立認可
・内閣府 国家戦略特区 資料6 三田三・四丁目地区再開発等促進区を定める地区計画 都市計画(素案)の概要
過去の記事
→2018年12月28日投稿 (仮称)三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業 複合棟-1
→2019年4月25日投稿 (仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー
→2020年3月10日投稿 (仮称)東京三田再開発プロジェクト
→2021年2月28日投稿 (仮称)東京三田再開発プロジェクト
→2021年9月22日投稿 (仮称)東京三田再開発プロジェクト
→2022年1月30日投稿 (仮称)東京三田再開発プロジェクト

概要
名称 | (仮称)東京三田再開発プロジェクト |
計画名 | (仮称)三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業 |
name | (Tentative name) Tokyo Sanda Redevelopment Project |
中文名 | 临时名称)东京散打重建项目 |
所在地 | オフィスタワー棟:東京都港区三田三丁目11番2他 複合棟-2:東京都港区三田三丁目1005番 住宅棟-1:東京都港区三田四丁目101番1他 住宅棟-2:東京都港区三田四丁目2000番 |
用途 | オフィスタワー棟:事務所、貸会議室等、店舗、駐車場 複合棟-2:幼稚園、専修学校、自動車車庫 住宅棟-1:住宅、駐車場 住宅棟-2:店舗、住宅 |
階数 | オフィスタワー棟:地上42階、地下4階 複合棟-2:地上7階、地下1階 住宅棟-1:地上9階、地下1階 住宅棟-2:地上4階、地下2階 |
高さ | オフィスタワー棟:215m ※約211m 複合棟-2:28.5m ※約27.7m 住宅棟-1:31.5m ※約31.7m 住宅棟-2: 11.065m ※約11.5m |
構造 | オフィスタワー棟:鉄骨鉄筋コンクリート造 ※鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造 複合棟-2:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造 ※鉄筋コンクリート造 住宅棟-1:鉄筋コンクリート造 ※鉄筋コンクリート造 住宅棟-2:鉄筋コンクリート造 ※鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 |
基礎工法 | オフィスタワー棟:直接基礎 複合棟-2:直接基礎 住宅棟-1:杭基礎 住宅棟-2:杭基礎 |
総戸数 | 約255戸 |
敷地面積 | オフィスタワー棟:19,170.29㎡ 複合棟-2:2,916㎡ 住宅棟-1:7,710㎡ 住宅棟-2:335.23㎡ |
建築面積 | オフィスタワー棟:8,140㎡ ※約7,870㎡ 複合棟-2:1,400㎡ ※約1,400㎡ 住宅棟-1:2,910㎡ ※約2,800㎡ 住宅棟-2:176.60㎡※約200㎡ |
延床面積 | オフィスタワー棟:199,705.60㎡ ※約197,000㎡ 複合棟-2:7,300㎡ ※約7,300㎡ 住宅棟-1:21,500m ※約21,100㎡ 住宅棟-2:534.12㎡ ※約600㎡ |
着工 | オフィスタワー棟:2019年10月中旬 (解体着手:2019年3月22日) 複合棟-2:2021年1月20日 住宅棟-1:2020年6月中旬 住宅棟-2:2021年4月1日 |
竣工 | オフィスタワー棟:2023年初旬/現地概要板:2026年4月30日 複合棟-2:2023年7月30日 住宅棟-1:2024年8月中旬 住宅棟-2:2025年3月31日 |
建築主 | 三田三・四丁目地区市街地再開発組合 参加組合員:住友不動産、事業協力者:住友不動産、大林組 |
設計 | 久米設計 コンサルタント:日建設計、上野計画事務所 |
オフィスタワー棟:久米設計 複合棟-2:石本建築事務所 住宅棟-1:久米設計 住宅棟-2:久米設計、すわ製作所関西 | |
施工 | オフィスタワー棟:大林組 複合棟-2:竹中工務店 住宅棟-1:長谷工・大林建設共同企業体 (長谷工コーポレーション、大林組) 住宅棟-2:辰 |
最寄駅 | 田町、三田、泉岳寺、高輪ゲートウェイ |
建築計画の概要板
▼オフィスタワー棟(複合棟-1)

▼複合棟-2

▼住宅棟-1

▼住宅棟-2

位置図
区域図

出典:東京都
配置図

出典:住友不動産
断面図

出典:東京都
イメージパース
▼(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟

出典:(仮称)東京三田再開発プロジェクト公式サイト
▼聖徳大学幼児教育専門学校/聖徳大学三田幼稚園

現地にて撮影
(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟
南東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。
(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟は地上42階、地下4階、高さ215mの超高層ビルとなり、事務所、貸会議室等、店舗、駐車場から構成されます。

南東側から見上げた建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

南東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟低層部分の様子です。

南東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟高層部分の様子です。
青空と同化するようなガラスウォールのカーテンウォールで覆われた外観が特徴となっています。

南東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟中層部分の様子です。
中層部分と高層部分では平面形状が異なり、キャンチで張り出した部分が目立ちます。

ファサードに小型の庇のような出っ張りのあるカーテンウオールが用いられていることが確認できます。

真下から見上げた建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)の様子です。

第一京浜から見上げた南側に建つ住友不動産三田ツインビル西館(ラ・トゥール三田)と建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)の様子です。
南側には地上43階、高さ179.30mの「住友不動産三田ツインビル西館(ラ・トゥール三田)」が建っています。
(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)の外観デザインや色合いは、先に竣工したこちらの「住友不動産三田ツインビル西館(ラ・トゥール三田)」に似たものとなっています。
また、住友不動産三田ツインビル西館は2006年9月竣工で、山手線などの線路の東側に17階建て、高さ85.50mの「住友不動産三田ツインビル東館」が建っています。

建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)低層部分の基壇部の様子です。

西側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

緑地1号と連続する緑地2号の様子です。
住友不動産三田ツインビル西館側でも斜面を活用した既存緑地があります。

緑地1号の完成予想パースです。
現地周辺は、名所 江戸百景の「月の岬」と呼ばれ、江戸時代には、台地の一角から海を臨む観月の名所として知られていましたが、過去の開発により景観は喪失していました。
地域自生種を用いて歴史ある高低差を活かした斜面緑地を再生するとともに、約5,500㎡の緑地(緑地1、2号)では芝桜が連続する、新名所にふさわしい広大な庭園風景を形成するものとされています。

出典:住友不動産
「月の岬エレベーター」とも呼ばれる住友不動産三田ツインビル西館の裏側にあるエレベーターです。こちらのエレベーターで西側の聖坂側へ通り抜けることが可能となっています。

非常に幻想的な光景となるエレベーターです。

エレベーターを上がったところから見た緑地の様子です。

南側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

南側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟高層部分の様子です。
オフィスタワー棟では、高断熱ガラス等の建材の採用により建物の断熱性能を高め、高効率な空調・照明機器といった省エネ設備を導入する事により、50%以上の一次エネルギー消費量を50%以上削減した建物に与えられる「ZEB Ready」認証を取得しています。

南側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟低層部分の様子です。

西側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

北西側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の北側には、4,800㎡の広さの広場1号が整備されます。

歩行者デッキから見た広場1号の完成予想パースです。

出典:住友不動産
広場の完成予想パースです。

現地にて撮影
北東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟の様子です。

北東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟と住友不動産三田ツインビル西館の様子です。

北東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー棟低層部分の様子です。

札の辻交差点上に歩道橋に代わる新たなデッキが整備される計画となっており、三田エリアと芝浦エリアの歩行者ネットワークが連結します。

歩行者ネットワーク整備のイメージです。

出典:内閣府
「田町駅側より望む歩行者デッキ」の完成予想パースです。

出典:住友不動産
イメージでは接続されるようには描かれていませんが、北東側の「札の辻スクエア」のデッキの腰壁の一部が仮設と思われるボード張りになっており、こちらにも接続されるものと思われます。

デッキを通じて田町駅寄りに移動することが可能となります。

(仮称)東京三田再開発プロジェクト 複合棟-2
(仮称)東京三田再開発プロジェクト 複合棟-2は地上7階、地下1階、高さ28.5mの中層ビルで、幼稚園、専修学校、自動車車庫から構成されており、「聖徳大学幼児教育専門学校/聖徳大学三田幼稚園」が入ります。

東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト 複合棟-2の様子です。

(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1
(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1は住宅、駐車場からなる地上9階、地下1階、高さ31.5m、総戸数約255戸の中層マンションとなります。

現場打設にて施工が進められています。

南西側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1の様子です。

再開発区域北西側の「聖坂」の様子です。

北西側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1の様子です。

東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1の様子です。

南東側から見た建設中の(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-1の様子です。

(仮称)東京三田再開発プロジェクト 住宅棟-2
(仮称)東京三田再開発プロジェクト B地区住宅棟-2は地上4階、地下2階、高さ11.065mの住宅と店舗から構成される住宅棟です。
秀和三田レジデンスの北側には、一級建築士である岡啓輔氏が自力で建て続けている建築物である「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」が建っています。
再開発後は、聖坂沿いの広場3号や公園2号の計画地に位置しており、現在はシートで覆われています。

第一京浜と(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)のイメージパースです。

出典:(仮称)東京三田再開発プロジェクト公式サイト
(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)のイメージパースです。
住友不動産三田ツインビル西館に外観デザインや色合いが似ていることがわかります。

出典:(仮称)東京三田再開発プロジェクト公式サイト
(仮称)東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー(複合棟-1)の鳥瞰イメージパースです。
第一京浜上の歩道橋と直結し、札の辻交差点から住宅棟北側へ抜ける歩行者通路1号も整備されます。

出典:(仮称)東京三田再開発プロジェクト公式サイト
第一京浜沿いの完成予想パースです。
沿道も緑化されます。

出典:(仮称)東京三田再開発プロジェクト公式サイト
構造は、免震+制振のハイブリット構造を採用しており、27階スカイロビーの階下部に中間免震層を設け、かつ全フロアに制振壁、屋上に制振装置を設置する事で、地震時など揺れを低減するものとされています。

出典:住友不動産
「エントランスホール(シャトルEV側)」の完成予想パースです。

出典:住友不動産
田町駅前から見た(仮称)東京三田再開発プロジェクトの様子です。

高さ200m級の超高層ビルが建ち並び、迫力ある光景となっています。

2022年11月22日更新
2022年11月6日撮影
建設中/計画中 超高層ビル・タワーマンションリスト>東京都港区