2023/04/27
東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビル |
東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビルは、東京都千代⽥区丸の内⼀丁目で計画されている地上20階、地下3階、高さ約100mの木造超高層ビルです。
既存建築物である前川国男設計の地上25階、地下4階、高さ108.1mの「東京海上日動ビル 本館」と地上16階、地下4階、高さ約71mの「東京海上日動ビル 新館」を解体し、構造部材である柱、床に国産木材をふんだんに使い、木の使用量が世界最大規模となる地上20階、地下3階、高さ約100mの超高層ビルに建て替える計画となっています。
新・本店ビルでは、ビルを支える柱の多くに木材を使用すると共に、床の構造材としてCLT(直交集成板)を用いることなどにより、可能な限り多くの木材を使用する予定とされています。
木材がふんだんに使われた柱や床は、季節や時間の移り変わりによって繊細に表情を変えるガラスのファサードに包まれ、美しく印象的な「キューブ(立方体)」を形作るとのことです。
新・本店ビルの屋上には、緑豊かな庭園や庭園とエントランスの中央には「パティオ(中庭)」と呼ばれる樹木が植えられた空間が設けられます。
デザイナーには、1998年にプリツカー賞を受賞した世界的な建築家であるレンゾ・ピアノ氏が主宰する設計事務所「Renzo Piano Building Workshop(RPBW)」を起用していることが特徴で、建築主は東京海上ホールディングス、東京海上日動火災保険、設計はRenzo Piano Building Workshop、三菱地所設計、施工は竹中工務店、大林組、清水建設、鹿島建設、大成建設、戸田建設共同企業体となります。
東京海上ホールディングスの本社は2021年12月から「東京トーチ 常盤橋タワー」へ順次、移転しており、既存建築物解体着手は2022年10月、着工は2024年12月、竣工は2028年度となっています。
参考資料、引用元
・東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 東京海上日動 新・本店ビルのデザインについて~国産木材を使い木の使用量が世界最大規模となる高さ100mの「木の本店ビル」へ~
・東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 東京海上日動 新・本店ビル計画のコンセプトについて
過去の記事
→2021年10月4日投稿 東京海上日動ビル建て替え計画

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
概要
名称 | 東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビル |
計画名 | 東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビル/東京海上日動ビル建て替え計画 |
name | Tokio Marine Holdings/Tokio Marine & Nichido Fire Insurance New Head Office Building |
中文名 | 东京海上控股/东京海上日动火灾保险公司新总公司大楼新总公司大楼 |
所在地 | 東京都千代⽥区丸の内⼀丁目6番1 |
用途 | 事務所(本店ビル)、駐車場等 |
階数 | 地上20階、地下3階 |
高さ | 約100m |
構造 | 木造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 | --- |
敷地面積 | 約10,147㎡ |
建築面積 | --- |
延床面積 | 約130,000㎡ |
着工 | 2024年12月(解体着手:2022年10月) |
竣工 | 2028年度 |
建築主 | 東京海上ホールディングス、東京海上日動火災保険 |
設計 | Renzo Piano Building Workshop、三菱地所設計 |
施工 | 竹中工務店、大林組、清水建設、鹿島建設、大成建設、戸田建設共同企業体 |
最寄駅 | 東京、大手町、二重橋前 |
概要※既存建築物
名称 | 東京海上日動ビル |
計画名 | --- |
name | Tokio Marine & Nichido Building |
中文名 | 东京海上日动大厦 |
所在地 | 東京都千代⽥区丸の内⼀丁目2番1 |
用途 | 事務所 |
階数 | 本館:地上25階、地下4階 新館:地上16階、地下4階 |
高さ | 本館:108.1m (軒高:99.7m) 新館:71m ※Google Earth計測高さ |
構造 | 地上:鉄骨造 地下1階および2階:鉄骨鉄筋コンクリート造、そのほか鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 | --- |
敷地面積 | 10,139.37㎡ |
建築面積 | 2,207.75㎡ |
延床面積 | 本館:63,120.19㎡ 新館:52,620㎡ |
着工 | 1970年12月 |
竣工 | 本館:1974年2月 新館:1986年12月 |
建築主 | 東京海上火災 |
設計 | 前川国男建築設計事務所、横山建築構造設計事務所、東京建築研究所 |
施工 | 竹中工務店、大林組、鹿島建設、清水建設 |
最寄駅 | 東京、大手町、二重橋前 |
位置図
区域図

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
イメージパース

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
施設構成・イメージ
東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビルの外観完成予想パースです。
ガラス張りのカーテンウォール越しに、木の柱や梁などの構造部材が透けて見え、木の温もりを感じられる意匠となることがわかります。

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
「屋上庭園」の完成予想パースです。

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
「エントランスホール」の完成予想パースです。

出典:東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険
2023年3月建設状況
南西側から見た解体が進む東京海上日動ビルの様子です。解体が進む既存の東京海上日動ビルは、モダニズム建築の旗手として、第二次世界大戦後の日本建築界をリードした「前川國男」の設計で、赤茶色のタイルが張られた格子状の外壁が特徴的となっています。
国内の優良な建築物を表彰する「BCS賞」を1976年に受賞している、皇居周辺・丸の内エリアで初の超高層ビルです。
2023年4月時点では、東京海上日動ビル及び東京海上日動ビル 新館には解体用タワークレーンが設置され、東京海上日動ビル 新館には足場も組まれて解体工事が進められていました。

南西側から見た解体が進む東京海上日動ビルの低層部分の様子です。

南西側から見た解体が進む東京海上日動ビルの高層部分の様子です。

北西側から見た解体が進む東京海上日動ビルの様子です。
建て替え後は延床面積が本館+新館の約115,740㎡から、約130,000㎡に増えますが、高さは現行のビルと変わらないものとなります。
現行の東京海上日動ビル建設前に、皇居のすぐ近くに超高層ビルを建てることから美観論争・高さ制限論争を起きた歴史があります。
丸の内エリアでは、戦前の美観地区規制および、100尺規制(約31m)の高さ制限ぎりぎりのビルが整然と立ち並ぶ景観が造られていました。そのような中、高度経済成長期にビルの建て替え計画が浮上し、東京海上火災保険が1966年10月5日に東京都へ提出した前川國男の当初案の建築確認申請書では地上30階、高さ127.768mとなる高層ビルのツインタワーが建つことになっていました。
しかし、東京都がこの建築申請を1967年4月15日付で却下したことをきっかけに、皇居の周囲の美観地区指定を巡る論争や、皇居の周りに皇居を見下ろすようなビルを建てることの是非をめぐり対立が起き、最終的にはツインタワーから1つだけのビルにした上、当初の地上30階を地上25階、高さ99.7mに変更する計画変更申請を1970年9月11日付で提出、9月24日建設大臣が認定、現在の東京海上日動ビルの建設に至っています。

北東側から見た解体が進む東京海上日動ビルの様子です。

東京海上日動ビルは赤茶色のタイルが張られた格子状の外壁が特徴となっています。

南東側から見た解体が進む東京海上日動ビルの様子です。

南東側、行幸通りから見た解体が進む東京海上日動ビルの様子です。

南側から見上げた解体が進む東京海上日動ビルの様子です。

南西側から見た解体が進む東京海上日動ビル 新館の様子です。

北西側から見た解体が進む東京海上日動ビル 新館の様子です。

北東側から見た解体が進む東京海上日動ビル 新館の様子です。

南側から見た解体が進む東京海上日動ビル 新館の様子です。

行幸通りから見上げた東京海上ホールディングス/東京海上日動火災保険 新・本店ビルと新丸の内ビルディングです。丸の内仲通り両側に超高層ビルがズラリと並びます。

解体が進む東京海上日動ビルと東京海上日動ビル新館です。

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2023年4月27日更新
2023年3月20日撮影