2027年のリニア中央新幹線の開業に向け中部国際空港の二本目滑走路実現に向けた機運が高まる中、空港アクセスの強化が必要と判断され、延伸が検討されているようです。
現段階では、早ければ2019年度中に調査検討ができる組織の立ち上げを目指すとのことです。
◆参考資料、引用元
中日新聞 あおなみ線、空港延伸構想 名古屋市、アクセスを強化
東海テレビ 海中トンネルや高架など…名古屋・あおなみ線 中部国際空港延伸に向け調査チーム設置へ

あおなみ線延伸ルートは金城ふ頭から海底トンネルまたは高架で知多半島につなぎ、名鉄常滑線の新舞子駅(愛知県知多市)付近に接続する黄色の「知多半島ルート」と、海中トンネルか高架で直接空港まで繋げる紫色の「空港直結ルート」が検討されているようです。
新舞子駅を経由するルートは名鉄常滑線の列車本数増加による線路容量不足を解消でき、採算性の面でもコストパフォーマンスに優れていますが、災害時の輸送ルート二重化はできません。
少し前に大阪を襲った台風21号での関空連絡橋のタンカー衝突被害を見ると、万が一の際の輸送ルート二重化は必須であることは明白です。
ここはぜひ、ポートアイランドを経由して、中部国際空港へ直結する空港直結ルートで建設し、高架橋の場合は台風時でも風の影響を受けないよう、防風板の設置や強化ガラスのチューブ内に電車を走らせるなどの工夫を行っていただきたいものですね。

現在のあおなみ線終着駅である「金城ふ頭駅」です。
2004年10月に開業した新しい駅で、周辺にはリニア鉄道館やポートメッセなごや、レゴランド・ジャパン、メイカーズピア等があり、2016年度の一日平均乗降客数は5,022人となっています。
(※レゴランド開業前の数値のため、2017年度の一日平均乗降客数は7,000~2万人台程度に増加しているものと思われる)

現在は高架橋もこのように終点になっています。
ここから直接地下に潜るのか、ループしながら地下に潜るのか、海上を渡る大鉄橋ができるのかまだわかりませんが、ここから中部国際空港へ行くことができるようになり、空港から直接リニア鉄道館やレゴランドなどの名古屋のテーマパークゾーンへ足を運べるようになります。
隣接する三重県にあるナガシマスパーランドへも電車で行けるようになれば、利便性も向上して名古屋のベイエリアの魅力が更に向上するかと思われますが、県境を跨ぐと自治体同士の調整が難しいのかそういった計画は現在ありません。

ミッドランドスクエアの展望台から見た中部国際空港方面の景色です。
煙突の後ろに小さく見えるつくしのような形状の建物が管制塔です。

中部国際空港では全長 3,500mの第2滑走路増設を行い、 2027年までに供用開始を目指すものとされており、埋め立てにより空港島の面積を約 200ha増加させ、現在の滑走路から約300m沖合に2019年より第2滑走路の建設を着手することとなっています。
ただし、現在の滑走路に並行して建設される計画で横風用ではないため、今後の増便に対応ということでしょう。

高校時代の修学旅行時に飛行機の機内から撮影した金城ふ頭周辺の航空写真です。
東京や大阪などの大都市圏、福岡や広島、宇都宮、富山、鹿児島、沖縄などの地方でも鉄道の延伸や新設が相次ぐ中、名古屋のみ鉄道の延伸新設計画が出てきていなかったため、非常に危惧しておりましたが、このあおなみ線延伸計画案が浮上し、安堵しました。
今後も名古屋・愛知は、都心部から郊外部、郊外部から郊外部など鉄道網の拡充を行っていき、利便性向上や新駅開業に伴う地価上昇、新たなエリア(沿線)の開発、都市としての魅力の向上を図っていただきたいものです。

整理番号 鉄道 あおなみ線 中部国際空港(セントレア)延伸を検討へ