2019/01/06
中志段味特定区画整理事業は名古屋市守山区中志段味で行われている土地区画整理事業で、隣接する上志段味と併せて名古屋市で最後と言われている大規模な土地区画整理事業です。
192.40haもの非常に広大な荒地や田園地帯を開発し、宅地や商業地にする計画で、会員制量販店「コストコ」に土地を賃貸する大手商社と土地の売買契約に関する覚書が2018年11月14日に発表されました。
また、地価の下落や地権者の合意形成遅れによって、現行計画のままでは425億3,000万円とされていた事業費が最大800億円~金利を含めると1000億円に達する可能性もあるとして、大幅な見直しが行われる可能性もあります。
◆参考資料、引用元
名古屋市 志段味地区の事業概要
名古屋市中志段味特定土地区画整理組合
毎日新聞 名古屋市 中志段味区画整理、縮小 約半分に 組合に再建案
中京テレビニュース 「コストコ」名古屋初出店に向け覚書を締結 名古屋・守山区
毎日新聞 名古屋市 区画整理補助金を停止 守山の組合、事業遅れ
朝日新聞 停滞23年、事業縮小検討 名古屋・中志段味の区画整理
かつて「白い街」を築いた先駆者・名古屋はなぜ行き詰ったのか? 土地区画整理事業の現在
志段味ヒューマン・サイエンス・タウン整備推進連絡会議作業部会
メーテレニュース コストコ守山区中志段味に進出が決定
名古屋市 計画提案に係る都市計画の素案の閲覧(地区計画(中志段味地区計画))※リンク切れ
中日新聞 自動運転実用化へ提携合意 名古屋市、トヨタ、ソフトバンク
名古屋市 30-11(新設):平成30年7月3日届出 バロー中志段味店:名古屋市中志段味特定土地区画整理事業地内(縦覧期間 平成30年11月19日まで)
◆過去の記事
→2017年2月7日投稿 中志段味特定区画整理事業(コストコ、フォレストウォーク守山)

■概要
・名称 中志段味特定区画整理事業
・name Nakashidami specific area arrangement project
・中文名 中志段味特定景观安排业务
・施行地区 愛知県名古屋市守山区中志段味
・開発面積 192.40ha(1,924,000㎡)
・着工 1995年12月28日
・完工 2018年3月31日予定(※当初計画)
・総事業費 425億3,000万円
・計画戸数 ---
・計画人口 ---
(2018年12月29日撮影)
参考資料から拝借した全体計画図です。
会員制量販店「コストコ」が建設されるのはBブロック中央部、バロー中志段味店が建設されるのはAブロックとなります。

※現在、リンク切れのため引用元閲覧不能
庄内川の堤防から見た中志段味特定区画整理事業の西側の様子です。
西側は下志段味土地区画整理事業区域に隣接しており、北側には中志段味地区と下志段味地区に跨って公園が設けられる計画です。

北側、庄内川沿いから見た県道214号線西側の中志段味(大字)申新田、大屋敷(字)付近の様子です。
区画整理事業によって計画されている道路が途中まで施工されており、その先は農道のままになっています。
中志段味特定区画整理事業は、地価の下落や地権者の合意形成遅れによって、現行計画のままでは425億3,000万円とされていた事業費が最大800億円~金利を含めると1000億円に達する可能性もあり、現在、一部箇所ではこのように工事が止まったままの箇所もあります。

中志段味特定区画整理事業区域内には守山高校があります。
区画整理事業が行われますが、高校の敷地は変形敷地のまま維持される見通しで、今後の変化はなさそうです。

庄内川にかかる志段味橋から見た県道214号線です。
以前は、志段味橋を通過して名古屋市内に入ると、幅員約4m前後、1車線の狭あい道路が中志段味地区・旧東春日井郡志段味村大字中志段味区域を南北にぐねぐねと貫いていましたが、現在では幅員約14m、2車線の道路が区画整理事業によって整備されています。

新たに整備された県道214号線の先ほどの坂を登った場所から南西側を見た様子です。
住所で示すと中志段味(大字)西山島(字)付近です。
現在でも家屋が以前の区画のまま残っています。

上の写真から反対側、東側を見ると新たな街路が整備されていることがわかります。

県道214号線、中志段味(大字)湿ヶ(字)付近から中志段味(大字)西山島(字)付近を見た様子です。
区画整理事業が進むと住所変更が行われ、以前の住所、地名が失われる場所が数多くあります。
このあたりから西側は湿ヶ(字)という地名ですが、凄い地名ですね。
ちなみに国土地理院地図の航空写真を確認すると、1960年代、この辺りは一面田んぼでした。
湿っていた土地から来た地名なんでしょうか。

新中志段味交差点北側では県道214号線の旧道が斜めに交わっていました。
まだ旧道が残っていますが、区画整理事業が進むと、新県道214号線の手前で90度に南東側へ折れ、街区公園と思われる小さめの公園が写真右手側に造成される計画となっています。

新中志段味交差点から見た建設中の「(仮称)バロー中志段味店」です。
店舗面積2,679㎡、2019年3月4日オープン予定の郊外型大規模商業施設です。
店舗面積から、主に食料品売り場がメインとなるものと思われます。

県道15号線、北東側から見た名古屋市中志段味特定土地区画整理事業地内95街区(Aブロック)に位置する建設中の「(仮称)バロー中志段味店」です。
鉄骨造の建物が既に上棟しており、現況を見ると道路側には広大な駐車場が確保されることもわかります。

中志段味(大字)墓前(字)付近、新中志段味交差点の南西側には「JAなごや志段味」が建っています。

県道15号線から北側、中志段味(大字)東山島(字)付近を見た様子です。
計画図を見ると街路網は現状とそれほど変化がなさそうな印象を受けます。

建設中の(仮称)バロー中志段味店の南側、公園予定地の現況です。
手前は砂利敷きの暫定的な工事用車両駐車場、奥には薄や葦の荒れ地が広がります。

公園計画地の北側は暫定的にゆとりーとラインの車両留置場となっています。
現在、ゆとりーとラインのガイドウェイバス区間は名古屋北東のターミナル駅である大曽根~小幡緑地となっており、この区間は高架となっているため渋滞に巻き込まれません。
しかし、地上の道路に入る吉根~志段味間は渋滞に巻き込まれ、雨天時のラッシュ時にはバスが遅れることもしばしばあるとのことです。早期の高架区間延長、もしくは吉根~志段味間の地下鉄敷設が望まれます。

現在は旧道が複雑に入り組み、区画整理事業完了後の姿が想像できません。
写真左側、中志段味(大字)二ツ塚(字)付近にはNTTの電波塔が建っています。

コストコ建設予定地のBブロック南側では旧県道15号線が新道から分岐して残っています。
計画図上では区画整理後もこの形を活用して残り、新県道15号線と囲まれた場所は商業地域として活用される計画です。

守山高校北側からコストコ建設予定地北東側を経由し、県道15号線と交差したのち、中志段味(大字)上寺林(字)付近まで至ります。
計画図ではこの先、南方向へさらに伸び、県道75号線付近まで繋がる計画となっています。

中志段味特定区画整理事業の東側、中志段味(大字)下定納(字)付近です。
仮囲いに囲われた土地は元々工場か倉庫の建物がありましたが解体されています。

中志段味特定区画整理事業南側の様子です。地名では中志段味(大字)西荒古(字)あたりで、幅員3m未満の二項道路の両側に生垣がある古い住宅が立ち並んでいます。
国土地理院地図の航空写真を確認すると1960年代には既に集落のような感じになっており、1970年代に入ると宅地化が進行していることがわかります。

コストコの計画地です。
計画が若干変更され、当初計画されていた面積より縮小しています。
南側に産廃の埋設されている区域、西側には埋蔵物がある区域があり、工事に支障が出る可能性があったためと思われます。
今後、Bブロック西側と県道15号線に面した南側には他の店舗などが計画されるものと思われますが、個人的には志段味エリアの公共交通拠点、パークアンドライドの拠点を形成していただきたいと思います。
ゆとりーとラインであればターミナルステーション、地下鉄であれば徳重駅のようなイメージです。
今の志段味エリアは公共交通網が非常にわかりにくく、バスは鉄道と異なり停留所の位置が外部から来た人間には非常に分かりにくく使いにくいものです。

コストコ建設予定地はBブロック中央部、この付近になります。
地名では、中志段味(大字)東海道(字)付近です。

コストコ建設予定地の奥を見ると高圧電線が通り、その手前までが建設予定地となります。
奥には守山高校も見えますが、その手前側には埋蔵物が埋まっています。

コストコ建設予定地の東側、Cブロック・73街区では造成工事が進んでいます。

庄内川沿いのCブロックの北側です。
こちらは一般的な住宅地となるのでしょうか。
現在は荒れ地となっています。

北側から見たCブロック・73街区方面の様子です。
現在は一面何もない土地が広がります。

中志段味特定区画整理事業の北側、中志段味(大字)沢田(字)付近の様子です。
野田農場という農場が広がっていますが、現在の計画では区画整理後に新興住宅地となります。
過去にも色々とあったようですが、個人的にはせっかく農場があるのであれば、農場を活かした自然と触れ合える農場とショッピングモールが融合した商業核があれば面白いのではと思いました。
今まで通りに土地区画整理事業を推し進めても、他の都市と全く同じ街が広がるだけで、他と一線を画す面白い街を創るためには今までと発想を変える必要もあると感じます。

と、区画整理の記事はここまでです。
個人的には志段味方面へ地下鉄もしくは鉄道を延伸し、自動車交通中心の社会となっている志段味エリアを徒歩と公共交通で生活可能なエリアに変えていただきたいと感じております。
今回は雪の中、合計3万2,075歩、22.45km歩いて調査、撮影を行いました。
現状は自動車がないととても不便で生活できません。
地下鉄桜通線を延伸し、地価の上昇、区画整理に成功して魅力あるまちづくりを行えた緑区徳重エリアという実績も名古屋市にはあるので、やはり地下鉄・鉄道を延伸すべきと思います。
地下鉄、鉄道の延伸が不可能であるならば、ゆとりーとラインの高架区間延伸でも構いません。
現状のまま大規模商業施設を建設しても、自動車渋滞によるCO2増加や駐車場のアスファルト面積増加に伴う照り返し熱でヒートアイランド化が進むだけです。
区画整理事業を見直す可能性もあり、その際、もう一度交通機関についても検討していただきたいものです。

名古屋市、ソフトバンク、トヨタ自動車が連携し、バスやタクシーの自動運転など近未来の移動サービスの実用化を目指すことが確定したとのことで、自動運転車の時代ももうすぐです。
この春にも有人車両を使った公道での実証実験を開始するとのことで、実験拠点は市内十六区で唯一、地下鉄がない守山区が有力とされています。
しかし、名古屋駅から直接、自動運転車で守山区へアクセスさせる提案となっており、言い方は悪くなってしまい申し訳ないのですが、都市交通や都市構造を把握できていない机上の空論になっています。
数十万人が一斉に郊外から名古屋駅へ車で移動したらどうなるでしょうか。
いくらAIが発達しても、都市のキャパシティを超える量の車が流れ込めば渋滞は発生します。
現実を考えると自動車は近距離交通手段、中長距離は大量輸送が可能な公共交通手段となります。
自動運転車時代にこそ、パーク&ライド(駅前の大規模駐車場・EV充電施設)と地下鉄・鉄道と自動運転車との交通結節点、いわゆる「駅」が重要になってくると考えています。
もう一度、計画を見直し、名古屋最後の大規模土地区画整理事業である「中志段味特定区画整理事業」が成功することを願っています。

整理番号 土地区画整理0004-02
192.40haもの非常に広大な荒地や田園地帯を開発し、宅地や商業地にする計画で、会員制量販店「コストコ」に土地を賃貸する大手商社と土地の売買契約に関する覚書が2018年11月14日に発表されました。
また、地価の下落や地権者の合意形成遅れによって、現行計画のままでは425億3,000万円とされていた事業費が最大800億円~金利を含めると1000億円に達する可能性もあるとして、大幅な見直しが行われる可能性もあります。
◆参考資料、引用元
名古屋市 志段味地区の事業概要
名古屋市中志段味特定土地区画整理組合
毎日新聞 名古屋市 中志段味区画整理、縮小 約半分に 組合に再建案
中京テレビニュース 「コストコ」名古屋初出店に向け覚書を締結 名古屋・守山区
毎日新聞 名古屋市 区画整理補助金を停止 守山の組合、事業遅れ
朝日新聞 停滞23年、事業縮小検討 名古屋・中志段味の区画整理
かつて「白い街」を築いた先駆者・名古屋はなぜ行き詰ったのか? 土地区画整理事業の現在
志段味ヒューマン・サイエンス・タウン整備推進連絡会議作業部会
メーテレニュース コストコ守山区中志段味に進出が決定
名古屋市 計画提案に係る都市計画の素案の閲覧(地区計画(中志段味地区計画))※リンク切れ
中日新聞 自動運転実用化へ提携合意 名古屋市、トヨタ、ソフトバンク
名古屋市 30-11(新設):平成30年7月3日届出 バロー中志段味店:名古屋市中志段味特定土地区画整理事業地内(縦覧期間 平成30年11月19日まで)
◆過去の記事
→2017年2月7日投稿 中志段味特定区画整理事業(コストコ、フォレストウォーク守山)

■概要
・名称 中志段味特定区画整理事業
・name Nakashidami specific area arrangement project
・中文名 中志段味特定景观安排业务
・施行地区 愛知県名古屋市守山区中志段味
・開発面積 192.40ha(1,924,000㎡)
・着工 1995年12月28日
・完工 2018年3月31日予定(※当初計画)
・総事業費 425億3,000万円
・計画戸数 ---
・計画人口 ---
(2018年12月29日撮影)
参考資料から拝借した全体計画図です。
会員制量販店「コストコ」が建設されるのはBブロック中央部、バロー中志段味店が建設されるのはAブロックとなります。

※現在、リンク切れのため引用元閲覧不能
庄内川の堤防から見た中志段味特定区画整理事業の西側の様子です。
西側は下志段味土地区画整理事業区域に隣接しており、北側には中志段味地区と下志段味地区に跨って公園が設けられる計画です。

北側、庄内川沿いから見た県道214号線西側の中志段味(大字)申新田、大屋敷(字)付近の様子です。
区画整理事業によって計画されている道路が途中まで施工されており、その先は農道のままになっています。
中志段味特定区画整理事業は、地価の下落や地権者の合意形成遅れによって、現行計画のままでは425億3,000万円とされていた事業費が最大800億円~金利を含めると1000億円に達する可能性もあり、現在、一部箇所ではこのように工事が止まったままの箇所もあります。

中志段味特定区画整理事業区域内には守山高校があります。
区画整理事業が行われますが、高校の敷地は変形敷地のまま維持される見通しで、今後の変化はなさそうです。

庄内川にかかる志段味橋から見た県道214号線です。
以前は、志段味橋を通過して名古屋市内に入ると、幅員約4m前後、1車線の狭あい道路が中志段味地区・旧東春日井郡志段味村大字中志段味区域を南北にぐねぐねと貫いていましたが、現在では幅員約14m、2車線の道路が区画整理事業によって整備されています。

新たに整備された県道214号線の先ほどの坂を登った場所から南西側を見た様子です。
住所で示すと中志段味(大字)西山島(字)付近です。
現在でも家屋が以前の区画のまま残っています。

上の写真から反対側、東側を見ると新たな街路が整備されていることがわかります。

県道214号線、中志段味(大字)湿ヶ(字)付近から中志段味(大字)西山島(字)付近を見た様子です。
区画整理事業が進むと住所変更が行われ、以前の住所、地名が失われる場所が数多くあります。
このあたりから西側は湿ヶ(字)という地名ですが、凄い地名ですね。
ちなみに国土地理院地図の航空写真を確認すると、1960年代、この辺りは一面田んぼでした。
湿っていた土地から来た地名なんでしょうか。

新中志段味交差点北側では県道214号線の旧道が斜めに交わっていました。
まだ旧道が残っていますが、区画整理事業が進むと、新県道214号線の手前で90度に南東側へ折れ、街区公園と思われる小さめの公園が写真右手側に造成される計画となっています。

新中志段味交差点から見た建設中の「(仮称)バロー中志段味店」です。
店舗面積2,679㎡、2019年3月4日オープン予定の郊外型大規模商業施設です。
店舗面積から、主に食料品売り場がメインとなるものと思われます。

県道15号線、北東側から見た名古屋市中志段味特定土地区画整理事業地内95街区(Aブロック)に位置する建設中の「(仮称)バロー中志段味店」です。
鉄骨造の建物が既に上棟しており、現況を見ると道路側には広大な駐車場が確保されることもわかります。

中志段味(大字)墓前(字)付近、新中志段味交差点の南西側には「JAなごや志段味」が建っています。

県道15号線から北側、中志段味(大字)東山島(字)付近を見た様子です。
計画図を見ると街路網は現状とそれほど変化がなさそうな印象を受けます。

建設中の(仮称)バロー中志段味店の南側、公園予定地の現況です。
手前は砂利敷きの暫定的な工事用車両駐車場、奥には薄や葦の荒れ地が広がります。

公園計画地の北側は暫定的にゆとりーとラインの車両留置場となっています。
現在、ゆとりーとラインのガイドウェイバス区間は名古屋北東のターミナル駅である大曽根~小幡緑地となっており、この区間は高架となっているため渋滞に巻き込まれません。
しかし、地上の道路に入る吉根~志段味間は渋滞に巻き込まれ、雨天時のラッシュ時にはバスが遅れることもしばしばあるとのことです。早期の高架区間延長、もしくは吉根~志段味間の地下鉄敷設が望まれます。

現在は旧道が複雑に入り組み、区画整理事業完了後の姿が想像できません。
写真左側、中志段味(大字)二ツ塚(字)付近にはNTTの電波塔が建っています。

コストコ建設予定地のBブロック南側では旧県道15号線が新道から分岐して残っています。
計画図上では区画整理後もこの形を活用して残り、新県道15号線と囲まれた場所は商業地域として活用される計画です。

守山高校北側からコストコ建設予定地北東側を経由し、県道15号線と交差したのち、中志段味(大字)上寺林(字)付近まで至ります。
計画図ではこの先、南方向へさらに伸び、県道75号線付近まで繋がる計画となっています。

中志段味特定区画整理事業の東側、中志段味(大字)下定納(字)付近です。
仮囲いに囲われた土地は元々工場か倉庫の建物がありましたが解体されています。

中志段味特定区画整理事業南側の様子です。地名では中志段味(大字)西荒古(字)あたりで、幅員3m未満の二項道路の両側に生垣がある古い住宅が立ち並んでいます。
国土地理院地図の航空写真を確認すると1960年代には既に集落のような感じになっており、1970年代に入ると宅地化が進行していることがわかります。

コストコの計画地です。
計画が若干変更され、当初計画されていた面積より縮小しています。
南側に産廃の埋設されている区域、西側には埋蔵物がある区域があり、工事に支障が出る可能性があったためと思われます。
今後、Bブロック西側と県道15号線に面した南側には他の店舗などが計画されるものと思われますが、個人的には志段味エリアの公共交通拠点、パークアンドライドの拠点を形成していただきたいと思います。
ゆとりーとラインであればターミナルステーション、地下鉄であれば徳重駅のようなイメージです。
今の志段味エリアは公共交通網が非常にわかりにくく、バスは鉄道と異なり停留所の位置が外部から来た人間には非常に分かりにくく使いにくいものです。

コストコ建設予定地はBブロック中央部、この付近になります。
地名では、中志段味(大字)東海道(字)付近です。

コストコ建設予定地の奥を見ると高圧電線が通り、その手前までが建設予定地となります。
奥には守山高校も見えますが、その手前側には埋蔵物が埋まっています。

コストコ建設予定地の東側、Cブロック・73街区では造成工事が進んでいます。

庄内川沿いのCブロックの北側です。
こちらは一般的な住宅地となるのでしょうか。
現在は荒れ地となっています。

北側から見たCブロック・73街区方面の様子です。
現在は一面何もない土地が広がります。

中志段味特定区画整理事業の北側、中志段味(大字)沢田(字)付近の様子です。
野田農場という農場が広がっていますが、現在の計画では区画整理後に新興住宅地となります。
過去にも色々とあったようですが、個人的にはせっかく農場があるのであれば、農場を活かした自然と触れ合える農場とショッピングモールが融合した商業核があれば面白いのではと思いました。
今まで通りに土地区画整理事業を推し進めても、他の都市と全く同じ街が広がるだけで、他と一線を画す面白い街を創るためには今までと発想を変える必要もあると感じます。

と、区画整理の記事はここまでです。
個人的には志段味方面へ地下鉄もしくは鉄道を延伸し、自動車交通中心の社会となっている志段味エリアを徒歩と公共交通で生活可能なエリアに変えていただきたいと感じております。
今回は雪の中、合計3万2,075歩、22.45km歩いて調査、撮影を行いました。
現状は自動車がないととても不便で生活できません。
地下鉄桜通線を延伸し、地価の上昇、区画整理に成功して魅力あるまちづくりを行えた緑区徳重エリアという実績も名古屋市にはあるので、やはり地下鉄・鉄道を延伸すべきと思います。
地下鉄、鉄道の延伸が不可能であるならば、ゆとりーとラインの高架区間延伸でも構いません。
現状のまま大規模商業施設を建設しても、自動車渋滞によるCO2増加や駐車場のアスファルト面積増加に伴う照り返し熱でヒートアイランド化が進むだけです。
区画整理事業を見直す可能性もあり、その際、もう一度交通機関についても検討していただきたいものです。

名古屋市、ソフトバンク、トヨタ自動車が連携し、バスやタクシーの自動運転など近未来の移動サービスの実用化を目指すことが確定したとのことで、自動運転車の時代ももうすぐです。
この春にも有人車両を使った公道での実証実験を開始するとのことで、実験拠点は市内十六区で唯一、地下鉄がない守山区が有力とされています。
しかし、名古屋駅から直接、自動運転車で守山区へアクセスさせる提案となっており、言い方は悪くなってしまい申し訳ないのですが、都市交通や都市構造を把握できていない机上の空論になっています。
数十万人が一斉に郊外から名古屋駅へ車で移動したらどうなるでしょうか。
いくらAIが発達しても、都市のキャパシティを超える量の車が流れ込めば渋滞は発生します。
現実を考えると自動車は近距離交通手段、中長距離は大量輸送が可能な公共交通手段となります。
自動運転車時代にこそ、パーク&ライド(駅前の大規模駐車場・EV充電施設)と地下鉄・鉄道と自動運転車との交通結節点、いわゆる「駅」が重要になってくると考えています。
もう一度、計画を見直し、名古屋最後の大規模土地区画整理事業である「中志段味特定区画整理事業」が成功することを願っています。

整理番号 土地区画整理0004-02