、「名古屋駅周辺まちづくり構想」や「名古屋駅周辺交通基盤整備方針」をもとに、名古屋駅周辺におけるまちづくりについて検討を進めており、今回、名古屋駅駅前広場について、現時点における検討内容のとりまとめとして、再整備の方向性等を示した「名古屋駅駅前広場の再整備プラン(中間とりまとめ)」が2019年1月にまとめられました。
スーパーメガリージョンの交通拠点となる名古屋駅の東西に広場を創設し、駅期にはツインタワーの超高層ビルが新たに建設される提案もあります。
今回、乗換利便性を向上させる「ターミナルスクエア」やコンコースの混雑解消や乗り換え円滑化を目的とした新たな東西自由通路、名駅のモニュメントである飛翔の撤去、タワーズガーデンの解体についてまとめます。
◆参考資料、引用元
名古屋市 名古屋駅駅前広場の再整備プラン(中間とりまとめ)
◆過去の記事、関連記事
→2017年8月16日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅・ターミナルスクエア整備 前編
→2017年8月18日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅・ターミナルスクエア整備 後編
→2017年8月20日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり東地区
→2017年8月27日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり西地区
→2018年12月15日投稿 名駅西口(太閤通口)に交通ターミナル機能を備えた超高層ビル2棟建設へ

◇名古屋駅西口 太閤通口の再整備
駅とまちとをつなぐ、開放性の高い広場を駅前広場の中央に配置することが検討されており、更に駅前広場と建築物との一体的な空間活用の検討として高層ビル2棟の建設も提案されています。
また、リニア中央新幹線の名古屋駅直上は大規模な広場空間が整備され、駅西エリアの商業地域では開発の誘導が行われます。
今後のスケジュールは、2021年~2026年度に設計・工事が行われ、リニア開業と同時に完成することが目標とされています。


現在の駅西・太閤通口の様子です。
東海道新幹線の駅に面していますが、超高層ビルは殆ど無く、これが三大都市圏の一つなのかと少し残念に思えてしまうような景観です。
しかし、今後は駅の再整備によって2棟の新たなツインタワー超高層ビルの計画も提案されており、広場と一体化した新たな賑わいの核が生まれ、駅西の街並み、印象が一変します。

駅西エリアのビックカメラのある付近では開発の誘導が行われます。
再開発による超高層ビル・ホテルの建設や賑わいの核となる施設の建設が期待され、周囲では歩いてつながるまちづくりが行われます。

名駅駅西の南側の街並みとロータリーです。
前回、「名駅西口(太閤通口)に交通ターミナル機能を備えた超高層ビル2棟建設へ」の記事を書いた際に思いっきり勘違いしていましたが、超高層ビルの建設が提案されているのはロータリーのある場所で、雑居ビルや中村警察署の建つ街区は再開発エリアには含まれていません。

駅西から東側の名古屋駅を見るとセントラルタワーズを中心に高さ200m級の超高層ビル群が広がっていることがわかります。

◇名古屋駅東口 桜通口の再整備
ロータリー交差点の改良等を行い、飛翔の位置まで広場を広げ、まちにつながる歩行者空間、乗換空間等の整備を図る計画となっています。
市営地下鉄、JR、名鉄、近鉄などの各鉄道路線の乗り換えターミナルとなる「ターミナルスクエア」が3つ設けられる計画です。
また、名鉄名古屋駅寄りのJR名古屋駅広小路口には東西を貫く新たな自由通路・コンコースの建設も計画されています。
今後のスケジュールは、2020年度から設計・工事に着手、2027年度のリニア中央新幹線開通と同時に完成を目指しています。


参考資料から拝借したターミナルスクエアのイメージです。
大名古屋ビルヂングやJRゲートタワーがあり、地下鉄東山線名古屋駅への乗り換えルートとなるため、最も人が集中するターミナルスクエアとなりそうです。

現在のターミナルスクエア1の建設予定箇所の様子です。
今でも非常に多くの人がJR名古屋駅から地下鉄東山線名古屋駅へ流れていきます。
ちなみに名古屋駅の一日平均乗降客数は124万232人(2016年度)となっており、世界8位の乗降客数を誇る駅となっています。
2012年度までは名古屋駅は東京駅よりも乗降客数が多く、世界・日本国内ともに7位でしたが、東京の鉄道利用の高まりや利用者数増加に伴い、2013年度に東京駅に抜かれてしまいました。(※世界一乗降客数の多い駅は新宿駅の353万人/日)
リニア中央新幹線開通に伴い、名古屋大都市圏でも新たに鉄道の延伸や新規敷設、駅の新設が次々と行われることでしょうから、名古屋大都市圏でも鉄道利用が高まり、スーパーメガリージョンの交通拠点となる名古屋駅が東京駅の利用者数を再び抜き返す日は近いかもしれません。

こちらはターミナルスクエア2の整備が計画されているロータリー付近の現在の様子です。

ターミナルスクエア2は名古屋駅のコンコース、待ち合わせスポットとなっている金時計から出た場所に整備される計画です。

参考資料から拝借したターミナルスクエア3のイメージ図です。
現在のタワーズガーデンのある付近に整備されます。

ほぼ同じ角度から見たターミナルスクエア3の整備予定地です。
現在はこのようにタワーズガーデンの広場として利用されています。

タワーズガーデンの大階段です。
ここで腰を下ろしてスマホを触っている人や友達同士で喋って休憩している人が多く、わりと活用されているイメージでした。
ターミナルスクエア3の整備後もこのような大階段やイベントを開催できるような広場ができると良いですね。

ターミナルスクエア3の整備予定地・タワーズガーデンの全体の様子です。
大階段の向こう側、ミッドランドスクエア側にはステージと思われるデッキがあります。
こちらのデッキ、自由に使えることができればかなり活用されていたとは思いますが、どうやら自由には使えないようです。

ターミナルスクエア3が整備されるとこの印象的な階段と開口も消えそうですね。

タワーズガーデンからは名古屋駅前の超高層ビル群を見渡すことができ、夜にはこのような幻想的な光景を背景とした写真を撮ることもできます。

◇南側・広小路口に新たに整備される東西通路
現在、名鉄名古屋駅、近鉄名古屋駅からJR名古屋駅広小路口へ抜ける通路が、名古屋駅西口へと伸び、東西を自由に行き来できる新たなコンコースの建設が計画されています。
これにより、現在は名鉄や近鉄からあおなみ線へ乗り換えるには大回りをしなければなりませんが、通路一本であおなみ線へ乗り換えることができるようになり、乗り換え利便性が飛躍的に向上します。

現在は名古屋駅西口やあおなみ線、新幹線口へ抜けるのに大回りする必要があります。
名鉄名古屋駅でも大規模な再開発が行われる計画となっており、計画では白い壁のような超高層ビル(イメージとしては中野セントラルパークサウス(南棟)の一回り大きなサイズのもの)が建設されることになっていますが、まだ現段階では確定ではありませんので今後どうなるかはわかりません。
しかし、名鉄のお膝元・本拠地での再開発ですので、かなり本気の再開発ビルとなるものと思われます。
都市の回遊性を高め、更にセントラルタワーズから名古屋のランドマークを取ることができるような、新たな名古屋のシンボル的超高層ビルになれば良いですね。
→2017年3月30日投稿 名鉄 名古屋駅地区再開発

名鉄名古屋駅です。
名鉄名古屋本線、犬山線、常滑線、津島線、西尾線、三河線などのほぼすべての路線や方面へ行く電車が名鉄名古屋駅を通るため、非常の多くの電車が発着します。
そのためラッシュ時には約30秒~1分30秒ほどで1つのホームに2両から8両まで様々な種別、行先の電車が入ってきます。
名鉄名古屋駅の一日平均乗降客数は29万8,467人(2017年度)となっており、地下鉄やJRの名古屋駅よりは少ないですが、名鉄全駅の中では名鉄三大ターミナル駅のうち、2位の金山駅や3位の栄町駅の駅利用者数を大きく上回り、名鉄のターミナル駅となっています。

◇撤去される名古屋駅前のモニュメント「飛翔」 (写真左側、銀色のモニュメント)
名古屋市制100周年の平成元年、世界デザイン博覧会の開催に伴い設置されたモニュメントで、名古屋駅前のロータリー交差点に設置されました。
この飛翔も平成の終わりとともに姿を消す計画で、以前は移設の話が出ていたりしましたが現在は撤去の方針となっています。
今後、広場整備に伴い、この飛翔がどのように扱われるのか注目が集まります。

整理番号 名古屋駅駅前広場の再整備プラン(リニア駅周辺まちづくり・ターミナルスクエア・飛翔撤去・タワーズガーデン解体)