現在のあおなみ線名古屋貨物ターミナルから、南方貨物線として分岐し、JR東海道本線笠寺駅でJR東海道本線に合流、笠寺~大府を複々線し、迂回ルートとともに需要増大に対応する計画でした。
平成に入ると、貨物輸送のトラック輸送化、莫大な建設費のわりに貨物列車の本数が少ないことから建設は見送られてしまいました。
しかし、JR東海道本線笠寺~大府を複々線化することが可能な用地取得がほぼ済んでおり、現行の路線に平行して長い区間、複々線化予定地が続いています。
産業の発展と経済の活性化により、名古屋~刈谷間の混雑悪化や旅客列車の本数増加、JR武豊線方面への直通列車増加に伴い、今後、JR東海道本線笠寺~大府を複々線化が行われるかもしれません。
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→2019年1月21日投稿 JR大府・共和駅間新駅構想

■概要
・名称 ---
・name ---
・中文名 ---
・区間 JR東海道本線笠寺~大府間の約10.3km
・着工 ---
・竣工予定 ---
・総工費 ---
(2018年12月30日撮影)
JR東海道本線熱田駅~笠寺駅の区間では、元々、南方貨物線が別路線として建設される予定であったため、複線のまま高架化されています。

名古屋市南区にある笠寺駅です。
引き込み線もある大きな駅で、臨海部に位置する工場への貨物線もあります。

複々線化区間はここからです。
笠寺駅を過ぎ、天白川を渡る辺りでは東側に東海道新幹線が平行し、右手の西側には複々線化用地として確保されている空地を目にすることができます。

高架区間でも既に複々線分の高架が建設されており、あとは線路を敷設するだけとなっています。

少し前に天白川の橋梁が架け変えられたため、複々線っぽくなっています。

この辺りはすれ違う列車本数も多く、旅客列車は平日昼間の時間帯で8本/h、朝ラッシュ時間帯で13~15本/hが通過しており、複線で緩急様々な種別、速度の列車を走行させる密度としてはほぼ限界に近くなっています。

南大高駅付近です。
南大高駅は名古屋市緑区の駅で、周辺では土地区画整理事業が行われたことから、人気の郊外住宅地となっています。

南大高駅を過ぎ、伊勢湾岸道をくぐると列車の速度が落ち始めます。
まだ停車駅までは距離がありますが、前の列車との間隔が詰まってきたため、低速での走行を余儀なくされます。
それもそのはずで、金山~大府は新快速で11分、普通列車で18分と7分も短縮されてしまうため、運用上は昼間でも調整をしなければならないほどの本数となっています。

途中の共和駅です。

大府市の新駅建設予定地です。
こちらも複々線化予定地が確保されています。

大府駅に到着です。
ここからJR東海道本線の刈谷方面とJR武豊線に分岐します。

Google Eathを利用して上空からJR東海道本線南大高駅周辺を見ると、駅の部分では複々線化用地が無いようにも見えます。

しかし他の区間では複々線化用地が確保されており、列車の円滑な走行と今後の更なる輸送需要増加、名古屋と三河方面や浜松の発展に伴う長距離列車の本数増加が期待されることから、こちらは着手して欲しいところですね。
個人的には大府~笠寺を複々線化し、笠寺から先は新たに市営地下鉄の路線を敷設、直通し、名鉄小牧線や名古屋空港方面へ行けるようにしたらどうかと思います。
しかし消極的な名古屋市は市営地下鉄の新線建設は今後行わないとしており、名古屋都心部への地下鉄直通や乗り入れはほぼ不可能となっています。
何とかJR東海単独でもこの複々線を完成させてほしいものですね。

整理番号 JR東海道本線笠寺~大府を複々線化?用地確保される元南方貨物線予定地201901