新瀬戸駅周辺は名古屋都市計画区域マスタープランにおいて都市拠点とすることが望ましいと位置付けられています。
また、瀬戸市では「多極ネットワーク型コンパクト構造」の都市実現を目標としており、名鉄瀬戸線や愛知環状鉄道、基幹バスなど交通の結節点である新瀬戸駅・瀬戸市駅周辺については、暮らしの質を高める都市機能を提供する中心拠点として位置付けられています。
新瀬戸駅と瀬戸市駅を合わせた駅乗降客数は1万7,415人となっており、近年、急激に利用者数が増えていることから、駅前商業等の整備による利便性向上が期待されています。
◆参考資料、引用元
・瀬戸市都市交通マスタープラン
・都市計画区域マスタープラン(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)の改定について
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→2018年8月10日投稿 名鉄津島駅周辺で都市拠点化に伴う再開発は行われるのか?

参考資料から拝借した名古屋都市計画区域の将来都市構造及び緑の骨格図です。
瀬戸市新瀬戸エリアは都市拠点として機能するよう計画されていることが分かり、この都市拠点というものは津島駅、新瀬戸駅および弥富駅周辺を商業・業務、医療・福祉などの都市機能が集積し、暮らしやすいまちなかを形成する都市拠点に位置づけられたものとなります。

出典:愛知県
瀬戸市の土地利用構想図です。
新瀬戸駅と尾張瀬戸駅周辺の二つが中心拠点と位置付けられており、水野駅や中水野駅、瀬戸口駅、山口駅、しなのバスセンター付近が生活拠点と位置付けられています。

出典:瀬戸市
都市拠点の中心となる名鉄瀬戸線新瀬戸駅です。
一日平均乗降客数1万1,076人の郊外乗換駅となっており、利用者数は10年前の9,842人(乗車人員×2の駅乗降人員にて算出)から急増しています。

現在、新瀬戸駅には交通広場として機能するロータリーが3つあり、北西側にバス乗降用ロータリー、北東側にタクシーや自家用車乗降用のロータリー、南東側にタクシー用ロータリーがあります。

北東側ロータリーに面して広大な駅前広場が確保されています。
現在は駅周辺での再開発計画はありませんが、都市拠点の整備やコンパクトシティ化を考えると駅前のこのような空いている土地に大規模な商業施設や高密度なタワーマンションなどを建設し、賑わい創出や拠点性確保に動くべきなのではと感じられます。
広場は建物屋上に設ければよく、ロータリーもピロティ空間に配置すれば、現在の広場機能は維持できます。

こちらは愛知環状鉄道瀬戸市駅です。
一日平均乗降客数は6,339人となっており、JR中央本線に乗り入れて名駅まで直通する電車もあります。

こちらは駅南東側に位置するタクシーロータリーです。
2013年に整備完了、供用開始されています。

こちらは新たに整備された南北自由通路です。
ガラス張りの現代的でモダンなデザインとなっています。

駅周辺には、大型スーパーマーケットや信用金庫ビル、大規模な公立病院が立地しています。
こちらは瀬戸信用金庫本店ビルで、瀬戸信用金庫は愛知県内の信用金庫において、預金残高では岡崎信用金庫に次いで2位の規模を有する大きな信用金庫となっています。

公立陶生病院へ向かう街路は細く、線路との間の土地は駐車場となっています。
個人的には、新瀬戸駅からペデストリアンデッキで陶生病院と直結できれば便利になるのではと思います。

公立陶生病院と新瀬戸駅との間を南北に貫く鹿乗共栄線です。
こちらは道路のループ化による立体交差で名鉄瀬戸線の線路を跨線することが昭和41年に都市計画決定されています。

ループ化による立体交差計画の計画図です。
計画では、ベガス瀬戸の建つ場所と道路を挟んだ南側の土地にループが建設される計画となっています。

出典:瀬戸市
ループによる立体交差計画の計画地に建つパチンコ店のベガス瀬戸です。

ベガス瀬戸南側、ループの南半分が建設される計画だった場所です。
少し前まで暫定的に駐車場として活用されていましたが、2棟大型の建物が建設中となっています。
基礎を見た限り、恐らく3階建て程度の賃貸集合住宅かと思われますが、今後のループ橋建設がこれでほぼ不可能となってしまいました。
恐らく、アンダーパス化か直線的に立体交差する計画に変更されるものかと思われます。

公立陶生病院は、瀬戸市・尾張旭市・長久手市で組織する組合立の病院である公立陶生病院では、新東棟と新西棟が新たに建設され、古い病棟の建て替えが進められました。

現在は旧病棟跡地に立体駐車場や薬局を建設する工事が進められています。

公立陶生病院北側には、新たに開通した「瀬戸都市計画道路事業 陣屋線」の道路が瀬戸市役所前駅北側まで延びています。

こちらは新瀬戸駅南口西側、元々、名鉄パレ新瀬戸店(旧:名鉄瀬戸ショッピングセンター)があった場所です。
現在は駐車場となっており、駅前ですが商業的な賑わいはありません。
駅直上も活用し、駅北側のバローと直結した駅ナカ商業施設や都市型商業施設などの商業ビルが建って欲しいものですが、駅乗降客数が1万人レベルだとなかなか難しいかもしれません。
個人的には、家電量販店やニトリなどの家具店、ロフトやドンキホーテなどの雑貨関係、スタバなどのコーヒーショップなどがあれば集客もそこそこできるのではと思いますが、それでもやはり駐車場も必要な立地です。

新瀬戸駅南側にある10階建て、総戸数115戸の大規模マンションであるエムズシティ新瀬戸です。

解体が進められている名鉄スイミングスクール新瀬戸校です。
私が小学校時代に通っていたスイミングスクールですが、こちらも遂に閉業です。
労災保険関係成立票からは2019年12月31日まで解体事業期間とされています。
ちなみに新瀬戸駅南口西側の土地もこちらのスイミングスクール跡地の土地も、更には名鉄瀬戸線北側の駐車場の一部も名鉄が保有しているため、線路上空も併せて土地活用が可能であれば、そこそこの規模の商業施設を建設できそうなものです。

新瀬戸駅北西側一帯は駐車場となっています。
個人的には、都市型商業施設やタワーマンションが建てば、人口密度も高まり、商業的な賑わいを感じられて誇れる地元の都市部になれるのにとよく感じます。
瀬戸市の良い点は、陶磁器産業の歴史や文化、岩屋堂や海上の森などの自然であると思い、あとは駅前の都市部に都会感を感じられれば更に魅力的になると思います。

駅直結の大型スーパーであるスーパーマーケットバロー 新瀬戸店です。
オープンした当初はこの規模でもかなり大規模なショッピングセンターでしたが、1998年に大規模小売店舗立地法が施行されてから計画されたショッピングセンターに比べると小規模なものです。
オープンしてから既に十数年以上経過しており、もし建て替えや再開発などがあれば、今の3~5倍規模の高層型商業施設でも立体駐車場さえ確保できれば集客可能かと思います。

新瀬戸駅から水野駅にかけての景色です。
こちらは自分が高校時代に撮ったものなので少し変化はあるかもしれませんが、高層マンションも建ち並ぶ高密度なエリアとなっており、新瀬戸駅徒歩圏(水野駅含む)には約3万人~4万人の人口が集積しています。
同じ瀬戸市内では、愛知環状鉄道中水野駅を中心とした「中水野駅周辺まちづくり」や「鉱山採掘跡地土地利用計画」なども計画されており、今後の都市拠点化に向けた開発計画に期待したいところです。

整理番号 新瀬戸駅周辺で都市拠点化に伴う再開発は行われるのか? 201912