2021/03/05
ザ・パークハウス神戸タワーは兵庫県神戸市中央区相生町に建つ33階建て、高さ116.95m、総戸数352戸の超高層タワーマンションで、1900年に建設された歴史的建築物「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」とファミリア旧本社屋跡地に建設されています。
神戸市指定の景観形成重要建築物などの外観を保全・復元するプロジェクトは、ザ・パークハウス神戸タワーが神戸初となっており、建物の一部を保存するため、外壁を手作業で解体し、5,327点にも及ぶ部材を保管、新築時に「生け捕り」という手法を用いて組み直されています。
また、内装デザインも旧三菱銀行時代を継承したものとなっており、エレベーターホールとコンシェルジュカウンターの出入り口に「生け捕り」手法により保管した半円アーチを設置し、こちらには旧三菱銀行時代に使用されていた金庫の扉を磨き直し、空間意匠として採用している点が特徴となっています。
◆参考資料、引用元
・三菱地所レジデンス 神戸初・景観形成重要建築物「旧ファミリアホール(旧三菱合資会社神戸支店)」保存・復元タワーマンションプロジェクト「ザ・パークハウス 神戸タワー」2018年3月17日(土)モデルルームグランドオープン ~外壁を外して組み立て直す「生け捕り」手法を実施~
・三菱地所レジデンス プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 神戸タワー」街の過去と未来をつなぎ、暮らしを紡ぐ神戸遺産。
◆過去の記事
→2018年1月20日投稿 ザ・パークハウス神戸タワー

■概要
・名称 ザ・パークハウス神戸タワー
・計画名 (仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画
・name The Parkhouse Kobe Tower
・中文名 The Parkhouse 神户塔
・所在地 兵庫県神戸市中央区相生町1丁目1番1
・用途 共同住宅
・階数 地上33階、地下1階
・高さ 116.95m
・構造 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
・基礎工法 場所打ちコンクリート拡底杭
・総戸数 352戸
・敷地面積 3,051.00㎡
・建築面積 1,594.29㎡
・延床面積 39,520.55㎡
・着工 2017年4月1日
・竣工 2019年11月下旬 (建築計画概要板には2020年3月31日と記載)
・建築主 三菱地所レジデンス、JR西日本不動産開発、三菱倉庫、安田不動産
・設計 大林組
・施工 大林組
・最寄駅 西元町、神戸、高速神戸、みなと元町、ハーバーランド、花隈
(2021年1月1日撮影)
現地に掲示されている建築計画の概要が書かれた板です。

ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の位置図です。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の完成予想パースです。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の低層部分完成予想パースです。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
南西側から見たザ・パークハウス神戸タワーの様子です。
ザ・パークハウス神戸タワーは、制震構造を採用しており、大林組独自の「デュアル・フレーム・システム(DFS)」が組み込まれています。
建物の中央に剛強な心棒を構築し、その外周に柱と梁による柔構造の建物を配置、この2つの建物を制震装置のオイルダンパーで連結させた構造となっており、まさに五重塔と同じような制震システムとなっています。

南西側から見上げたザ・パークハウス神戸タワーの様子です。
また、構造面以外でも災害対策がなされており、法定稼働時間よりも延長した非常用発電機を設置し、非常用エレベーターや給水ポンプ、排水ポンプ、保安照明、防災センター内コンセントを稼働させることができるとのことです。
更に、太陽光発電設備を屋上に設置、停電時はカフェラウンジにある専用コンセントから最大15A(100V)の電力を得ることが可能で、災害発生時に携帯電話やパソコンの充電等に使用可能となっています。

ザ・パークハウス神戸タワーの高層階です。
建物外観はガラス手すりで覆われた透明感溢れるデザインとなっています。

南西側から見たザ・パークハウス神戸タワーの低層部分の様子です。
西側角には公開空地となる「エアリーパーク」が整備され、災害時には、座面を取り外すと「かまど」として炊き出し等に利用可能な「かまどベンチ」も設置されています。

ザ・パークハウス神戸タワーのエントランスの様子です。
共用施設には、3階にカフェラウンジ、26階にスカイラウンジ、また、26階にはゲストルーム「SKY」や3階にはゲストルーム「KAEDE」が入るほか、コーチエントランス(車寄せ)、地下1階にはゴルフレンジが入っています。
また、エントランスホール、カフェラウンジ、スカイラウンジでは、無料のWi-Fiサービスが提供されていたりします。

ザ・パークハウス神戸タワーのエントランスの内装イメージパースです。
木彫と石の素材感が調和し、復元した外観に呼応するクラシカルな空間となっています。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
東側から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分の様子です。
歴史的建築物である「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」の外壁2面がタワーマンションの基壇部として保存・復元されています。
建設当時の設計資料が全く無い状況下で、最先端技術であるレーザースキャナーを用いたBIM(Building Information Modeling)により、建物をデータ化し、3か月をかけて3次元での設計図面を制作したとのことです。
解体から施工では、外壁素材を丁寧に取り外し、岐阜県不破郡関ヶ原町に計5,327点の外壁素材を運び、組み直す順番がわかるように、全ての石材に数字を記して保管がなされました。
また、石材に付着しているモルタル等を手作業で取り除き、洗浄や保護剤を塗布、その後タワーマンション低層部分の外装材として活用されています。

北側から見上げたザ・パークハウス神戸タワーの様子です。

北側から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分の様子です。
歴史的な近代建築物のファサードが近未来的なガラス手すりで覆われたタワーマンションに融合した外観デザインとなっていますが、不思議と違和感なく調和しています。

保存・復元された「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」外装材とタワマン部分との納まりです。

「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」は、明治の建築界を牽引した曽根達蔵が設計した「三菱合資会社神戸支店」が1900年に竣工したものが元となっており、1919年より三菱銀行神戸支店と
して長い間銀行機能が置かれていました。
そして1977年に神戸発祥の子供服ブランド・ファミリアの本社となり、展示会などで内部が一般公
開されることもあり、「ファミリアホール」という名になり、2000年には神戸市・景観形成重要建築物等に指定されていました。

正面から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分ファサードです。
低層部分に近現代の歴史的建築物+ガラス張りの超高層建築物という組み合わせが、東京・丸の内エリアの超高層ビルを彷彿させる外観意匠となっています。

ガス灯をモチーフにしたと思われる街路灯と石積みの外観意匠。
ザ・パークハウス神戸タワーは、歴史的建築物+最新鋭のタワーマンションという組み合わせから、数多くのタワマンの中でもかなりの傑作だと思います。

整理番号B-0598-02
神戸市指定の景観形成重要建築物などの外観を保全・復元するプロジェクトは、ザ・パークハウス神戸タワーが神戸初となっており、建物の一部を保存するため、外壁を手作業で解体し、5,327点にも及ぶ部材を保管、新築時に「生け捕り」という手法を用いて組み直されています。
また、内装デザインも旧三菱銀行時代を継承したものとなっており、エレベーターホールとコンシェルジュカウンターの出入り口に「生け捕り」手法により保管した半円アーチを設置し、こちらには旧三菱銀行時代に使用されていた金庫の扉を磨き直し、空間意匠として採用している点が特徴となっています。
◆参考資料、引用元
・三菱地所レジデンス 神戸初・景観形成重要建築物「旧ファミリアホール(旧三菱合資会社神戸支店)」保存・復元タワーマンションプロジェクト「ザ・パークハウス 神戸タワー」2018年3月17日(土)モデルルームグランドオープン ~外壁を外して組み立て直す「生け捕り」手法を実施~
・三菱地所レジデンス プロジェクトリポート「ザ・パークハウス 神戸タワー」街の過去と未来をつなぎ、暮らしを紡ぐ神戸遺産。
◆過去の記事
→2018年1月20日投稿 ザ・パークハウス神戸タワー

■概要
・名称 ザ・パークハウス神戸タワー
・計画名 (仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画
・name The Parkhouse Kobe Tower
・中文名 The Parkhouse 神户塔
・所在地 兵庫県神戸市中央区相生町1丁目1番1
・用途 共同住宅
・階数 地上33階、地下1階
・高さ 116.95m
・構造 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
・基礎工法 場所打ちコンクリート拡底杭
・総戸数 352戸
・敷地面積 3,051.00㎡
・建築面積 1,594.29㎡
・延床面積 39,520.55㎡
・着工 2017年4月1日
・竣工 2019年11月下旬 (建築計画概要板には2020年3月31日と記載)
・建築主 三菱地所レジデンス、JR西日本不動産開発、三菱倉庫、安田不動産
・設計 大林組
・施工 大林組
・最寄駅 西元町、神戸、高速神戸、みなと元町、ハーバーランド、花隈
(2021年1月1日撮影)
現地に掲示されている建築計画の概要が書かれた板です。

ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の位置図です。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の完成予想パースです。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
ザ・パークハウス神戸タワー/(仮称)神戸市中央区相生町1丁目計画の低層部分完成予想パースです。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
南西側から見たザ・パークハウス神戸タワーの様子です。
ザ・パークハウス神戸タワーは、制震構造を採用しており、大林組独自の「デュアル・フレーム・システム(DFS)」が組み込まれています。
建物の中央に剛強な心棒を構築し、その外周に柱と梁による柔構造の建物を配置、この2つの建物を制震装置のオイルダンパーで連結させた構造となっており、まさに五重塔と同じような制震システムとなっています。

南西側から見上げたザ・パークハウス神戸タワーの様子です。
また、構造面以外でも災害対策がなされており、法定稼働時間よりも延長した非常用発電機を設置し、非常用エレベーターや給水ポンプ、排水ポンプ、保安照明、防災センター内コンセントを稼働させることができるとのことです。
更に、太陽光発電設備を屋上に設置、停電時はカフェラウンジにある専用コンセントから最大15A(100V)の電力を得ることが可能で、災害発生時に携帯電話やパソコンの充電等に使用可能となっています。

ザ・パークハウス神戸タワーの高層階です。
建物外観はガラス手すりで覆われた透明感溢れるデザインとなっています。

南西側から見たザ・パークハウス神戸タワーの低層部分の様子です。
西側角には公開空地となる「エアリーパーク」が整備され、災害時には、座面を取り外すと「かまど」として炊き出し等に利用可能な「かまどベンチ」も設置されています。

ザ・パークハウス神戸タワーのエントランスの様子です。
共用施設には、3階にカフェラウンジ、26階にスカイラウンジ、また、26階にはゲストルーム「SKY」や3階にはゲストルーム「KAEDE」が入るほか、コーチエントランス(車寄せ)、地下1階にはゴルフレンジが入っています。
また、エントランスホール、カフェラウンジ、スカイラウンジでは、無料のWi-Fiサービスが提供されていたりします。

ザ・パークハウス神戸タワーのエントランスの内装イメージパースです。
木彫と石の素材感が調和し、復元した外観に呼応するクラシカルな空間となっています。

出典:三菱地所レジデンス ニュースリリース
東側から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分の様子です。
歴史的建築物である「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」の外壁2面がタワーマンションの基壇部として保存・復元されています。
建設当時の設計資料が全く無い状況下で、最先端技術であるレーザースキャナーを用いたBIM(Building Information Modeling)により、建物をデータ化し、3か月をかけて3次元での設計図面を制作したとのことです。
解体から施工では、外壁素材を丁寧に取り外し、岐阜県不破郡関ヶ原町に計5,327点の外壁素材を運び、組み直す順番がわかるように、全ての石材に数字を記して保管がなされました。
また、石材に付着しているモルタル等を手作業で取り除き、洗浄や保護剤を塗布、その後タワーマンション低層部分の外装材として活用されています。

北側から見上げたザ・パークハウス神戸タワーの様子です。

北側から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分の様子です。
歴史的な近代建築物のファサードが近未来的なガラス手すりで覆われたタワーマンションに融合した外観デザインとなっていますが、不思議と違和感なく調和しています。

保存・復元された「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」外装材とタワマン部分との納まりです。

「旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)」は、明治の建築界を牽引した曽根達蔵が設計した「三菱合資会社神戸支店」が1900年に竣工したものが元となっており、1919年より三菱銀行神戸支店と
して長い間銀行機能が置かれていました。
そして1977年に神戸発祥の子供服ブランド・ファミリアの本社となり、展示会などで内部が一般公
開されることもあり、「ファミリアホール」という名になり、2000年には神戸市・景観形成重要建築物等に指定されていました。

正面から見たザ・パークハウス神戸タワー低層部分ファサードです。
低層部分に近現代の歴史的建築物+ガラス張りの超高層建築物という組み合わせが、東京・丸の内エリアの超高層ビルを彷彿させる外観意匠となっています。

ガス灯をモチーフにしたと思われる街路灯と石積みの外観意匠。
ザ・パークハウス神戸タワーは、歴史的建築物+最新鋭のタワーマンションという組み合わせから、数多くのタワマンの中でもかなりの傑作だと思います。

整理番号B-0598-02