2021/06/27
横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 |
横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎は神奈川県横浜市中区本町に建つ32階建て、高さ155.4mの超高層ビルで、市役所執務室や議場のほか、商業施設などが入っています。
フロア構成は地下が駐車場、1から3階は商業施設、3階にグランドロビーと総合受付、3階から8階は議場となっており、8階より上は市役所事務室です。
また、31階にあるレセプションルームはパーティー等も開ける大きな部屋となっています。
大岡川沿いには緑豊かな植栽を持つプロムナード「水辺テラス」や「水辺プラザ」が整備されたほか、桜木町駅へのペデストリアンデッキや馬車道駅への駅直結地下通路の建設も行われています。
2020年5月29日に竣工、2020年6月末より供用開始となっています。ちなみに現在の新築された庁舎は8代目のものとなっており、初代庁舎は1889年に建設され、前代の7代目庁舎は1959年に建設されています。
参考資料、引用元
・横浜市 新市庁舎建設情報
・横浜市 横浜市市庁舎移転新築工事 基本設計
・横浜市 新市庁舎整備の経緯
過去の記事
→2017年3月5日投稿 横浜市市庁舎移転新築工事
→2017年9月13日投稿 横浜市市庁舎移転新築工事
→2018年12月4日投稿 横浜市市庁舎移転新築工事
→2019年2月23日投稿 横浜市市庁舎移転新築工事
→2019年5月26日投稿 横浜市市庁舎移転新築工事
→2020年2月25日投稿 横浜市庁舎

概要
・名称 横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎
・計画名 横浜市市庁舎移転新築工事
・name Yokohama City Hall
・中文名 横滨市厅
・所在地 神奈川県横浜市中区本町6丁目50番地10
・用途 事務所、集会場、飲食店舗、物販店舗、駐車場
・階数 行政棟:地上32階、地下2階
議会棟:地上8階、地下2階
・高さ 155.4m
・構造 鉄骨造 (コンクリート充填鋼管造)、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
・基礎工法 杭基礎(場所打コンクリート拡底杭)、直接基礎
・敷地面積 13,142.92㎡
・建築面積 7,938.12㎡
・延床面積 142,621.57㎡
・着工 2017年8月1日
・竣工 2020年5月29日
・建築主 横浜市
・設計 竹中工務店
・施工 竹中・西松建設共同企業体
・最寄駅 馬車道、桜木町
(2021年1月29日撮影)
建築計画の概要板

位置図

出典:横浜市
配置図

出典:横浜市
立面図

出典:横浜市
断面図

出典:横浜市
イメージパース

出典:横浜市
南西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟の様子です。
外観デザインは、周囲の街並みと調和するように白を基調としており、スリット窓が連続するようなカーテンウォールが用いられています。

南西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎行政棟 高層部分の様子です。

南西側真下から見上げた横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟の様子です。
災害対策本部機能を有するため、BCP対策にも力が入れられています。
構造は建物の2階と3階の間に免震装置を設置する中間免震層による免震構造と制震構造のハイブリッド構造が採用されており、主要な設備機器は浸水のおそれのない高さである4階フロアに配置されています。
また、7日間連続運転が可能な非常用発電機と飲料水・トイレ洗浄水を確保することで、災害時にも市役所機能を維持し、業務を継続できるようになっているとのことです。
また、「地震・構造モニタリングシステム」が採用されており、震度6強から震度7程度の大地震の発生後においても、地震による建物の揺れの程度を自動的に計測、建物の継続使用可否等の迅速な判断が可能な地震・構造モニタリング機構を備えています。

南西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎低層部分の様子です。

南東側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟の様子です。

敷地東側には馬車道駅から直結しているアトリウムがあります。
アトリウムは三層吹き抜けの空間となっており、全面ガラス張りとなっていることが特徴的です。
文化芸術活動やパブリックビューイング等の多様な活動やイベントを開催可能となっています。

北東側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟の様子です。

北側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 低層部分のアトリウムの様子です。
北側には広場の「北プラザ」があります。

南東側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 議会棟の様子です。

北西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟の様子です。

北西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 議会棟の様子です。
議会棟の外観デザインはクルーズ船のような特徴的なデザインをしています。
3階には議会のエントランス、PRコーナー、図書館、5~8階には本会議場が設けられています。

南西側から見た横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 議会棟の様子です。

真下から見上げた横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 議会棟の様子です。
手前のガラス張りの部分がアトリウムになります。

南側から見たアトリウム部分のエントランスの様子です。南側の公開空地広場である「南プラザ」に面しています。

隣接地の公開空地の広場と接続され、違和感のない仕上がりとなっていました。

現地に掲載されている横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎の配置図です。

現地にて撮影
現地に掲載されている横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎の断面図です。

現地にて撮影
現地に掲載されている横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎のテナント一覧です。

現地にて撮影
アトリウムの内部の様子です。
南北面が一面ガラス張りの空間となっており、天井にも天窓があることから、自然採光を取り入れられる明るい空間となっています。

アトリウム内部の様子です。

アトリウムはガラス面が非常に大きく、自然採光のみでもかなり明るい空間です。
なお、夏はかなり暑くなりそうな気もしますが、大岡川からの自然通風を活用した床輻射冷暖房が機能することとなっています。

アトリウム内部の様子です。

アトリウムからはみなとみらい線馬車道駅へ直結しています。
エスカレーターで地下に下がると駅コンコースに接続しています。

エスカレーターで地下に降りたところです。
吹き抜け空間となっており、開放的な印象です。

地下には、建設工事に伴う発掘調査で発見された関東大震災により隆起した地層が展示されています。
横浜銀行集会所の地下1階床断面が、関東大震災により隆起した地層に突き上げられて盛り上がってしまっていることがわかります。

南側の本町通り沿いに広がる南プラザの様子です。
南プラザには通りに沿って花壇が続き、緑豊かな景観が創出されています。

こちらは敷地西側、大岡川沿いに整備された水辺テラスです。
水際線のプロムナードから階段状にデッキや植栽が設けられ、立体的な緑の空間が形成されました。こちらの水辺テラスからはみなとみエリアを眺めることのできるビューポイントとなります。

地上から見た水辺テラスの様子です。

水辺には桟橋も設けられています。

階段状に設置されたデッキが立体感を出しています。

横浜の土木遺産である「北仲通大岡川下水口 」が保存されています。
「北仲通大岡川下水口 」は1881年から着手された関内石造下水排水口のひとつとなっています。

こちらには「石積み護岸」が保存されています。
「石積み護岸」は横浜港開港から間もない1862年(文久2年)頃に整備された大岡川の護岸です。
1869年に灯明台役所が設置された際に敷地の拡張工事によって埋め立てられ、発掘された現在では現存している石積み護岸のうち最古級のものとなります。

水辺テラスの段差部分は植栽やスロープ、階段等で違和感なく処理されています。

北西側の北仲橋側に位置する広場である「水辺プラザ」の様子です。

水辺テラスから見上げた横浜市庁舎/横浜市役所新市庁舎 行政棟と議会棟の様子です。

傾斜や植栽、壁面緑化等も用いられ、魅力的な空間が創出されています。

水辺テラスには「横浜銀行集会所 建物基礎」が展示されています。
横浜銀行集会所は1905年竣工のアール・ヌーヴォー様式の建築でしたが、1923年の関東大震災によって倒壊しています。

2階デッキの様子です。

日本丸メモリアルパークから見た北仲エリアの様子です。
ここ数年で一気に開発が進みましたが、北仲通北地区A地区などまだまだ空地もあり、今後も開発は続きそうです。

整理番号B-0495-07竣工