2021/05/13
(仮称)九段南一丁目プロジェクト |
(仮称)九段南一丁目プロジェクトは東京都千代田区九段南で建設中の17階建て、高さ85.0mの超高層ビルです。
1934年竣工の歴史的建築物である帝冠様式の「九段会館」を70年間の定期借地により一部保存、活用する再開発となっており、九段会館は免震レトロフィット工法も採用し、創建時の姿を保存、復元し、内装にも当時の意匠を引き込むほか、1階には会員制のシェアオフィスも設けられます。
施設用途構成は、九段会館保存部分に宴会場、カンファレンスセンター、シェアオフィス、店舗などが入り、新築される高層部分は、主にオフィスおよび店舗となります。
2021年4月時点では、13階まで鉄骨建方が進められており、一部にはカーテンウォールの設置もなされていました。
参考資料、引用元
・東急不動産 歴史的建造物の「九段会館」 建替え事業を推進 ~「帝冠様式」の建物を保存活用~
・東急不動産 (仮称)九段南一丁目プロジェクト
過去の記事
→2018年12月20日投稿 (仮称)九段南一丁目プロジェクト
→2019年4月28日投稿 (仮称)九段南一丁目プロジェクト

概要
・名称 (仮称)九段南一丁目プロジェクト
・name (Tentative name) Kudan Minami 1-chome project
・中文名 (暂定名称)九段南 1丁目项目
・所在地 東京都千代田区九段南一丁目5番1
・用途 事務所、店舗、集会場、駐車場
・階数 地上17階、地下3階
・高さ 85.0m (軒高:75.0m)
・構造 鉄骨造、鉄筋コンクリート造
・基礎工法 直接基礎
・敷地面積 8,765.85㎡
・建築面積 5,106.90㎡
・延床面積 67,738.20㎡
・着工 2019年7月16日
・竣工 2022年7月15日
・建築主 合同会社ノーヴェグランデ (出資元:東急不動産、鹿島建設)
・設計 鹿島・梓 設計・工事監理業務共同企業体
・施工 鹿島建設
・最寄駅 九段下
(2021年4月11日撮影)
位置図

出典:東急不動産 ニュースリリース
イメージパース

出典:東急不動産 ニュースリリース
南東側から見た建設中の(仮称)九段南一丁目プロジェクトの様子です。

(仮称)九段南一丁目プロジェクトの新築高層部分を覆うように建物北側と東側部分をL字状に「九段会館」が保存されます。
九段会館は戦前の1930年代に流行したコンクリート造の建物に瓦葺きの勾配屋根を塔屋とパラペットに冠する「帝冠様式」という建築様式が採用された歴史的建築物となっています。
そのため、今回の再開発ではファサード部分が保存されることとなり、免震レトロフィット工法の採用や中性化により劣化したコンクリートの補修対策の実施、外壁のスクラッチタイルの落下防止対策の実施等により、創建時の姿を復元、保存が可能となりました。

東側から見上げた(仮称)九段南一丁目プロジェクトの様子です。

南東側から見た建設中の(仮称)九段南一丁目プロジェクト低層部分の様子です。

一部では既にカーテンウォール取り付けも開始されています。
窓部分は反射率の高いガラスが採用されており、壁面は大理石調のPCカーテンウォールとなっています。

一部保存、復元がなされた「九段会館」を拡大してみます。
九段会館は、城郭風の重厚な塔屋を戴く帝冠様式の外観意匠が特徴的で、要所に用いられた軽妙洒脱なアール・デコの装飾等、九段下の街路景観の象徴的存在であることが認められ、2019年9月に登録有形文化財に登録されています。

メインエントランスのイメージパースです。
エントランス部分は九段会館のファサードが活用され、重厚感溢れるエントランスとなります。

出典:東急不動産 ニュースリリース
九段会館は外壁も美しく磨き上げられ、窓ガラスも交換されているようでした。
歴史的建築物も超高層オフィスと融合することで保存、維持が可能と思われるので、今後はこうした再開発が全国で相次ぎ、歴史的建築物のファサード保存が進めば良いなと感じられます。

壁面や軒にも戦前の帝冠様式の美しさが出ていますね。

九段会館の軒の角部分です。

北西側から見た建設中の(仮称)九段南一丁目プロジェクトの様子です。

建設中の(仮称)九段南一丁目プロジェクト低層部分の様子です。
九段会館の北側がエントランスとなります。
敷地⻄側の牛ヶ淵沿いには歩行者デッキの整備も行われ、親水空間も設けられます。
また、歩行者デッキに面して店舗等も配置され、賑わい創出に繋げるものとされています。

建設中の(仮称)九段南一丁目プロジェクトと皇居、奥にズラリと並ぶ大手町~丸の内の超高層ビル群の様子です。

(仮称)九段南一丁目プロジェクトの完成予想パースです。
最先端のAIカメラ技術により、一歩進んだ安心・安全に寄与する次世代のセキュリティーシステムが実装されるほか、保存部分では免震構造・新築部分では制震構造を採用し、5日分の電力供給が可能な非常用発電機の設置、防災備蓄倉庫の設置がなされます。

出典:東急不動産 ニュースリリース
(仮称)九段南一丁目プロジェクトの鳥瞰パースです。

出典:東急不動産 ニュースリリース
「お濠沿いテラス」のイメージパースです。

出典:東急不動産 ニュースリリース
「屋上庭園」のイメージパースです。

出典:東急不動産 ニュースリリース
整理番号B-0676-03