2022/05/18
新市街地地区 (流山おおたかの森駅周辺区画整理事業) |
新市街地地区 (流山おおたかの森駅周辺区画整理事業)は、千葉県流山市のつくばエクスプレス流山おおたかの森駅を中心とした約275haを開発し、計画人口約2万8,600人の市街地を形成する区画整理事業です。
都市へのアクセスの良さというポテンシャルを活かし、流山おおたかの森駅を中心に多様な生活利便施設を集積することで、高度な都市性を創出する一方で、地区周辺にある「市野谷の森」や「大堀川」といった現存する環境資源と創出される公園を緑地・道路等でネットワーク化を図ることで、地域固有の自然を維持・活用し、都心的な魅力を兼ね備えた複合的生活空間の形成「アーバンパストラル」をまちづくりの基本方針としています。
区画整理区域に隣接する市野谷の森では「オオタカ」の営巣地が確認されるなど、都市化の進む首都圏の中でも多様な生物生息環境が残されている地域となっており、自然環境に配慮した整備もなされています。
また、既存家屋を極力残せるよう道路線形・構造等の工夫として既存家屋周辺整備(存置整備)が行われたほか、下水道幹線の整備や埋蔵文化財の調査がなされています。
平成10年に都市計画決定、平成12年の事業認可、11回の事業計画変更を経て、20年近くに亘った流山都市計画事業新市街地地区一体型特定土地区画整理事業は、令和元年5月10日の換地処分公告をもって、事業が終了しています。
2019年1月27日にホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森が開業、2020年3月にクオン流山おおたかの森が竣工、2021年3月31日に「流山おおたかの森S・C FLAPS(フラップス)」が開業、2022年4月27日に「COTOE(コトエ)流山おおたかの森」が開業、2022年4月27日に「スパメッツァ おおたか 竜泉寺の湯」が開業、2021年8月から2023年8月にかけて大規模マンション「ソライエグラン流山おおたかの森」が竣工しています。
参考資料、引用元
・流山市 新市街地地区(流山おおたかの森駅周辺)
・UR都市機構 【URのまちづくり最前線 第13回】流山都市計画事業 新市街地地区一体型特定土地区画整理事業 (千葉県流山市)
過去の記事
→2017年5月24日投稿 流山おおたかの森 都市景観1
→2017年5月28日投稿 流山おおたかの森 都市景観2

概要
・名称 新市街地地区 (流山おおたかの森駅周辺区画整理事業)
・name New city area (Nagareyama Otakanomori station area land readjustment project)
・中文名 新市区(流山大高森站区土地整理事业)
・所在地 千葉県流山市おおたかの森西、おおたかの森北、おおたかの森南、おおたかの森東、駒木
・開発面積 約275ha
・着工 1999年度
・完工 2023年度
・計画戸数 ---
・計画人口 約28,600人
(2022年3月20日撮影)
位置図
配置図

出典:流山市/UR都市機構
イメージパース
▼クオン流山おおたかの森/スターツおおたかの森ホール/ホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森

出典:スターツデベロップメント
▼流山おおたかの森S・C FLAPS(フラップス)

出典:東神開発
▼COTOE流山おおたかの森

出典:大和ハウス工業
▼ソライエグラン流山おおたかの森

出典:ソライエグラン流山おおたかの森 公式サイト
流山おおたかの森駅西口側 開発状況
流山おおたかの森駅西口の様子です。
バス停などのある西口駅前広場を囲むように商業ビルやビジネスホテル、マンションが建ち並んでいます。

流山おおたかの森駅西口駅前広場のバス停の様子です。

流山おおたかの森駅西口駅前広場の様子です。
駅に隣接して商業ビルの「SAKURA TERRACE」や「おおたかの森SC・アゼリアテラス」が建っています。

「SAKURA TERRACE」と「おおたかの森SC・アゼリアテラス」の様子です。
東神開発が開発した地上10階のおおたかの森SC・アゼリアテラスのフロア構成は、1階~2階に商業ゾーン、3階に保育所、3階~4階にクリニックフロアゾーン、5階~9階にオフィスフロア、10階に屋上庭園となっています。

流山おおたかの森駅西口北側の東武野田線沿いに残された空き地には、地上15階、高さ45.5m、総戸数80戸の高層マンションの建設が進められています。

流山おおたかの森駅前の高層マンション計画の完成予想パースです。

現地にて撮影
流山おおたかの森駅北西側は高層マンション街となっています。

西口駅前広場へ至る都市計画道路3・3・27流山新市街地駅西口駅前線沿いには、東横INNつくばエクスプレス流山おおたかの森駅前やピピトビル等が建っています。

都市計画道路3・3・27流山新市街地駅西口駅前線沿いでは、ワンルームの高層賃貸マンションの建設も進められています。

ワンルーム高層賃貸マンションの完成予想パースです。
地上11階、高さ34.605m、総戸数36戸となります。

現地にて撮影
流山おおたかの森西1丁目は高層マンションが建ち並んでいます。

流山おおたかの森駅西口交差点の東側では、「流山おおたかの森SC アネックス2(ANNEX2)」の建設が進められています。
地上4階、地下2階の商業施設となり、1階には、食品スーパーマーケットの「角上生鮮市場」、2階、3階には「ニトリ」、4階には「セリア」などが入ります。

流山おおたかの森駅西口交差点の北側街区の様子です。

流山おおたかの森駅西口交差点の北側街区内の様子です。

南東側から見たロードサイド型大型商業施設「COTOE(コトエ)流山おおたかの森」の様子です。
地上3階と地上2階の店舗棟から構成され、延床面積は33,402㎡、店舗数26店舗、駐車場台数は680台となっています。

COTOE(コトエ)流山おおたかの森の様子です。

COTOE(コトエ)流山おおたかの森の東側には、スパメッツァ おおたか 竜泉寺の湯が開業が建っています。
また、東武野田線と立体交差する都市軸道路の整備も進められました。

流山おおたかの森駅北口側 開発状況
流山おおたかの森駅北口には、PPP事業として「流⼭おおたかの森駅前市有地有効活⽤事業」が進められました。
地上14階、地下1階、高さ44.9m、分譲192⼾・賃貸49⼾からなる集合住宅棟の「クオン流山おおたかの森」、地上11階、高さ45.1m、客室数167室のホテル・商業施設棟「ホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森」、地上2階、高さ13.3mの公共施設棟「スターツおおたかの森ホール」の3棟構成となっています。
事業方式は「等価交換方式+定期借地権方式」となり、ホテル・商業棟の敷地は50年間の定期借地により、流山市からスターツコーポレーションが賃借している形になります。また、流山市は大成建設が建設した公共施設棟と等価となる集合住宅用地を交換することにより、公共施設を取得しています。

地上11階、高さ45.1m、客室数167室のホテル・商業施設棟「ホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森」の様子です。

地上14階、地下1階、高さ44.9m、分譲192⼾・賃貸49⼾からなる集合住宅棟の「クオン流山おおたかの森」の様子です。

地上2階、高さ13.3mの公共施設棟「スターツおおたかの森ホール」の様子です。

流山おおたかの森駅北口広場の様子です。

流山おおたかの森駅北口側、流山市おおたかの森北1丁目エリアの様子です。
新築マンションや暫定的に駐車場として活用されている土地が目立ちます。

建設が続く大規模マンション「ソライエグラン流山おおたかの森」の様子です。
規模は地上15階、総戸数794戸となっており、アリーナコートに220戸、ブライトコートに186戸、カームコートに132戸、ディライトコートに147戸、エレガンスコートに109戸となります。

カームコートとディライトコート、エレガンスコートは2023年8月下旬竣工となっており、現在も建設が進められています。

流山おおたかの森駅北口北東側には、「パークホームズ流山おおたかの森ザレジデンス」や「ソライエ流山おおたかの森」などの大規模マンションが建っています。

流山おおたかの森駅南口・東口側 開発状況
流山おおたかの森駅南口都市広場の様子です。
南口都市広場には、ショッピングモールの「流山おおたかの森S・C」、「流山おおたかの森S・C FLAPS」が隣接しています。
広場空間を商業施設が囲み、大規模マンションや西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)、住宅街へ抜ける歩行空間としても機能していることから、賑わいのある広場となっています。

2021年3月31日に開業した地上6階、延床面積約11,300㎡の大型商業施設「流山おおたかの森S・C FLAPS(フラップス)」の様子です。
駅広場に向かってひな壇状のテラスが屋上までつながり、今までなかった街のアクティビティを立体的に体感できる設計となっています。
また、「本館」と「FLAPS」と駅とをつなぐ広場を中心に弧を描く木質デッキも整備されたほか、施設で使用される電力は再生可能エネルギー由来の電力を100%使用するなどといった特徴もあります。

流山おおたかの森S・C FLAPS(フラップス)のテラスから見た流山おおたかの森駅前の様子です。

テラスから見た流山おおたかの森S・Cの様子です。
雁行×セットバックした外観やテラスに並んだファニチャー類、屋上緑化が街の表情を彩ります。

テラスから見た流山おおたかの森駅の様子です。
流山おおたかの森駅は、つくばエクスプレスと東武野田線の乗換駅となっており、両路線を合わせた2020年度の一日平均乗降客数は10万3,487人となっています。

南西側から見た流山おおたかの森駅南口都市広場の様子です。

南口都市広場を抜けると、西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)があります。

地上22階、総戸数524戸の大規模マンション「ザ・フォレストレジデンス」です。
総開発面積約32,000㎡、UPPER FORESTと名付けられた大規模複合住宅区に大規模マンションと51区画の戸建街区、有料老人ホームが共存する多世代型コミュニティとなっています。

市野谷水鳥の池(市野谷調整池)の様子です。
市野谷調整池は、雨水を貯めて坂川に放流するための下水道調整池で、3メートル以上の掘削を行う計画となっていましたが、国が絶滅危惧種に指定しているセイタカシギをはじめとする様々な水鳥の生息・飛来が、暫定的に整備された市野谷調整池で確認されました。
このため、市野谷調整池予定地の水、水生生物、ベントス(水底に生息する生物の総称)、ヨシやガマなどの水生植物を隣接する坂川暫定調整池に移植し、掘削後、再度移植作業を行い、市野谷調整池に戻す、という環境影響を軽減する保全行為(回避、最小化、代替、修復)を取り入れたミティゲーション手法で、豊かな生物生息環境の保全につなげるといった対策がなされています。

市野谷水鳥の池で今まで確認された野鳥一覧です。

現地にて撮影