2022/11/14
川崎市新本庁舎 超高層棟 |
川崎市新本庁舎は神奈川県川崎市川崎区で建設中の地上25階、地下2階、高さ111.62mの超高層ビルです。
地上25階、地下2階の「超高層棟」と地上3階の「復元棟」から構成される行政機能を集約した川崎市の新庁舎となります。
立地は、首都圏近郊ターミナル駅となっている川崎駅の東、市役所通りに面した場所に位置しています。
旧本庁舎と第2庁舎は、施設・設備の老朽化が進んでいるだけでなく、災害対策活動の中枢拠点に必要とされる耐震性能を満たしていないため、大規模地震が発生した際には行政機能及び議会機能を喪失し、市民・企業の生活再建・復興が遅れる可能性があり、特に旧本庁舎は倒壊の危険性があるなど、多大なリスクを抱えていることが課題とされていました。
また、床面積の不足などから、本庁機能が分庁舎や周辺の民間ビルに分散しており、行政サービスの低下や庁内執行体制の非効率化が生じているだけでなく、多額の賃借料負担も生じているという問題も存在しており、このような状況を改善するため、平成26年3月に「川崎市本庁舎・第2庁舎耐震対策基本構想」が策定され、現庁舎敷地で建て替えることとなりました。
フロア構成は、超高層棟の地下2階~地下1階に地下駐車場、地上1階~2階にエントランスホール、1階~3階にアトリウム、回廊デッキ、行政機能、免震層、4階~5階に機械室、6階~21階に行政機能、6階に災害対策機能、7階に市長関連機能、22階~24階に議会機能、25階にスカイデッキ、展望ロビー、屋上・PH階に緊急離着陸場、待機スペースとなっています。
また、復元棟の1階にカフェ、2階に情報プラザ等、3階に会議室、第3庁舎の地下に地下駐車場、地上に行政機能となります。
防災計画・BCP対策としては、中間免震層による免震構造の採用や多摩川反乱を想定した3階以上の高さに免震層や機械室、非常用発電機の設置、停電時にはガスを利用して新庁舎最大使用電力の90%を非常用発電機とガスコージェネレーションシステムにより電力供給などが挙げられています。
環境性能としては、煙突高架や蓄熱高架による上昇気流を活用した自然換気が可能な外装材「エコマルチウォール」の採用や、直射日光を遮る彫りが深く縦に長い開口部としたファサード、復元棟屋上に設置した太陽光発電システムなどにより、CASBEE川崎における最高ランクSを実現しています。
着工は2020年5月1日、新庁舎竣工は2022年度、第2庁舎跡地広場の竣工は2024年度、街区全体の竣工は2024年6月下旬となっており、2022年11月時点では既に上棟していました。
参考資料、引用元
・川崎市 本庁舎等の建替えについて
過去の記事
2018年12月11日投稿 川崎市新本庁舎整備事業
→2020年6月24日投稿 川崎市新本庁舎整備事業

概要
名称 | 川崎市新本庁舎 超高層棟 |
計画名 | 川崎新本庁舎整備事業 |
name | Kawasaki City New Main Government Building |
中文名 | 川崎市新政府主楼 |
所在地 | 神奈川県川崎市川崎区宮本町1番 |
用途 | 庁舎 |
階数 | 地上25階、地下2階 |
高さ | 111.62m |
構造 | 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 | 杭基礎 |
敷地面積 | 6,002.11㎡ |
建築面積 | 4,357.79㎡ |
延床面積 | 62,356.11㎡ |
着工 | 2020年5月1日 |
竣工 | 2024年6月下旬 (※新庁舎:2022年度、第2庁舎跡地広場:2024年度) |
建築主 | 川崎市 |
設計 | 久米設計 |
施工 | 大成建設 |
最寄駅 | 川崎、京急川崎 |
建築計画の概要板

位置図
区域図

出典:川崎市
断面図

出典:川崎市
フロア構成
▼超高層棟
・地下2階~地下1階:地下駐車場
・地上1階~2階:エントランスホール
・1階~3階:アトリウム、回廊デッキ、行政機能
・免震層
・4階~5階:機械室
・6階~21階:行政機能
・6階:災害対策機能
・7階:市長関連機能
・22階~24階:議会機能
・25階:スカイデッキ、展望ロビー
・屋上・PH階:緊急離着陸場、待機スペース
▼復元棟
・1階:カフェ
・2階:情報プラザ等
・3階:会議室
▼第3庁舎
・地下:地下駐車場
・地上:行政機能
イメージパース

出典:川崎市
南側から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟低層部分の様子です。

南側から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の様子です。
南側市役所通りに面して地上3階の「復元棟」が建設され、「にぎわいの広場・アトリウム」、「復元棟前広場」、「屋上庭園」が設けられます。

川崎市新本庁舎 復元棟のイメージパースです。
旧本庁舎は、昭和13年2月に竣工し、戦前・戦中・戦後を通じて、本庁舎としての役割を果たしてきました。「川崎市本庁舎等建替基本計画」に基づき、建物の一部を創建当時の姿で復元するものとされています。
復元の範囲は、創建当時の姿を象徴する市役所通り側の一部としており、 創建当時の2階市長室については、内装も可能な限り忠実に復元し、旧本庁舎の歴史等を展示する情報発信スペースとして整備されます。

出典:川崎市
川崎市新本庁舎 復元棟の鳥瞰イメージパースです。
復元棟の構造形式は、創建当時の小さな断面形状を復元するために、鉄骨造を主体としたものになります。
外壁のタイルは可能な限り当時の風合いを再現するとともに、剥落の無い乾式工法により創建当時の外観を忠実に復元するとのことです。
開口部は性能などの理由からアルミサッシを使用しますが、創建当時のスチールサッシの雰囲気が可能な限り再現されます。

現地にて撮影
川崎市新本庁舎の広場空間の鳥瞰イメージパースです。

出典:川崎市
川崎市新本庁舎 復元棟と整備が進む「にぎわいの広場・アトリウム」、「復元棟前広場」の様子です。

建設が進む「アトリウム」の様子です。
既に外装材の設置が進められています。

北西側から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の様子です。

仮囲いには仮囲いアートがなされています。

仮囲いアートです。

北東側から見上げた建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の様子です。

建設地東側には稲毛神社があります。

稲毛神社から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の様子です。

南東側から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の様子です。

南東側から見た建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟低層部分の様子です。

建設中の川崎市新本庁舎 超高層棟の高層部分の様子です。

西側に隣接して建っている川崎市役所第2庁舎です。
跡地には広場が整備され、第2庁舎跡地広場から歩行者専用道路および本庁舎敷地までを、一体的なデザインとし、敷地には超高層棟のファサードデザインを引き継いだストライプパターンとするとのことです。

市役所通りを挟んで南側に建つ地上18階、地下4階、高さ80mの超高層ビル「川崎市役所第3庁舎」です。

上空から鳥瞰した川崎市新本庁舎 超高層棟の完成予想パースです。

出典:川崎市
「エントランス」の完成予想パースです。

出典:川崎市
川崎市新本庁舎エントランスの「アトリウム」の完成予想パースです。
超高層棟と復元棟との間にガラス屋根のかかる三層吹き抜けアトリウム空間が設けられます。
回廊デッキによって超高層棟と復元棟を立体的に連結し、情報プラザやカフェ、研修・大会議室、屋上庭園などを効果的に結びつけるとのことです。
更に災害時には風雨の影響を受けず、緊急車両の乗り入れも可能な多目的防災スペースとして計画します。

「アトリウム」の完成予想パースです。

出典:川崎市
「回廊デッキ」の完成予想パースです。

出典:川崎市
「屋上庭園」の完成予想パースです。

出典:川崎市
「アトリウム・回廊デッキ構成図」です。

出典:川崎市
「議会フロア構成図」です。

出典:川崎市
「エコマルチウォール」の環境性能イメージです。

出典:川崎市
地上22~24階に設けられる「議会フロア」の完成予想パースです。
フロア北側のEV ホールに面する位置に傍聴ロビー、フロア中央の議場吹抜西側に傍聴席を配置しており、フロアの東西に議会図書室、議会会議室などの諸室が配置されます。

出典:川崎市
地上25階に設けられる展望フロア「スカイデッキ」の完成予想パースです。
建物外周に沿って展望ロビー及び半屋外のスカイデッキが配置されます。
市内および東京・横浜方面を一望できるとのことで、今まで東京と横浜の中間地点である川崎に無かった超高層ビル内の展望施設が川崎に誕生することになります。

出典:川崎市
2022年11月14日更新
2022年11月6日撮影
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